美しいロシア絵本の世界を是非お手元でお楽しみください。
ホームダイアリー5/13 100年
ダイアリー
5/13 100年
2019年05月13日

アンナ・デスニツカヤ画の「ある古いロシアの家の物語」は大きくて重い絵本。2017年ブラスティラヴァ世界絵本原画展金のりんご賞受賞作品だ。

表紙に家の扉が描かれている。それはある家の扉。その扉を開けると、家族の歴史の物語が始まる。この絵本はこの家に住む家族の100年の歴史が記録されている。

1902年〜2002年までの間にロシアに起こった様々な出来事。それらは容赦なくこの家にも大きな影響を与え、家族は翻弄されながらも今日という日をその家に守られ生きてきた、その日常の軌跡が淡々と紹介されていく。

それぞれの時代の生活の様子が細かく描かれていて興味深い。着ているもの、使っている道具、家具、食べ物、おもちゃ…。1927年には新しかったトイレが45年には古びて、周りは物置状態に。使わなくなったサモワールも置いてあったり。

生きて、働き、泣き、笑い、私たちは一生を終えてゆく。その家族それぞれの一生を包み込む家の存在は偉大だ。それは家族の心集う大切な場所なのだ。

この絵本には家系図がついていて、誰が絵本の中の何ページに出てきたのかもわかる。なので、それぞれの人生模様も追う事ができる。

そしてその家系図にはちゃんと、この家に共に暮らした大切な家族である歴代の犬や猫のものも記載されている。表紙の扉からのぞいてる猫は家系図から判断すると、多分マリーシちゃんじゃないかな。1945年生まれで49年には亡くなっている。(直)


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