2019年03月18日
◆20日からは八王子カフェ・リンさんで「セリョージャとあそぼう!」の原画展がスタート。よかったら遊びにいらしてください。
http://karandashi.ocnk.net/product/323
◆クニーシカの会とは、カランダーシの部屋のソビエト時代の絵本を中心に、翻訳をしている有志の集まりの名称だ。つい最近、何か名称を決めましょうということで決めた。クニーシカとは本のことなので、何のひねりもないネーミングではある。
この会の活動内容は、ロシア語の絵本文を持ち帰ってそれぞれ翻訳に取り組み、月に1度集まって読み合わせをする、というとてもシンプルなものだ。
この会はごくごく小さな集まりなのだが、奈良にも仲間がいる、というところが素敵だと思っている。
奈良のNさんは、ずっとソビエト絵本の翻訳に取り組んで下さっていて、出来上がったものを上京のついでに持って来てくださる。(こちらのダイアリーでも何回かご紹介させていただいていると思う) 毎回、きれいにまとめてくださって、丁寧にわかりやすく訳してくださり、本当にありがたい。そして、今回も2冊抱えてきてくださった。1冊は文字量も多く、訳文も約30枚というボリューム!雪だるまのお話で「お日様と雪だるま」(スレパコーワ作)だ。5人の雪だるまが、溶けたくないためにお日様に来ないように頼みに出かける。その途中に冬の寒さに大変な思いをしている動物たちに会い…というお話。雪に覆われた森の木々の表現が独特で印象的。日本とは違う縦長の雪だるまたちは基本無表情ながら、話が進むにつれて感情が伝わってきて親しみがわいてくる。みんないいヤツなのだ。
凍てつく夜。冬の辛さを森の木々の嘆きをNさんの訳文で聞いてみよう。
「我々は眠ってなんかいない!
眠ってなんかいない!
我々は悲しくて軋んだ音を出しているのだ。
べっぴんさんの白樺は寒さでさらに白くなり、背の高い松は春が来るのを待っている!
私たちの小さな子ども達のか細い枝は、ああ!ゆきで曲がってしまっている。我々の魂も凍えきってやっとのことで脈を打っているのだ!」
ああ、寒い。読んでいるだけで寒くなってしまった。木々の気持ちがひしひしと伝わってきて辛い。
この絵本、他者を思う気持ちや自然の摂理の厳しさなど色々なメッセージが込められている。
あさってからは原画展だ。せっかくの機会なので、訳のついているソビエト時代の絵本も会場であるカフェ・リンさんに持っていこうと思う。絵本の内容を素朴な風合いととも楽しんでいただけたら幸いだ。(直)