2025年05月24日


暑かったり、寒かったりな日々が続いています。終わったバラの枝の整理、プランターの植え替えなどを徐々に進めながら夏に備える日々です。草も木も、葉の色が芽吹の柔らかな色から濃い色に変わってきました。そんな緑色づくしの庭の中で、今はユスラウメとヘビイチゴの赤色が映えています。どちらも娘が小さい時には一緒に小籠に摘んで遊んでいましたが、さて本人は覚えているでしょうか。


木曜日はクニーシカの会がありました。テキストの『Моя собака любит жадно』をコズリナ先生のご指導のもと読み進めていきました。主人公のアンドリューハのおじさんは小さい頃はピオネールのラッパ奏者として結構認められていたけれど、結局はありふれた耳鼻咽喉科の医者になったと悔やんでいます。だからこそ、甥には若いのだから、ジャズを学べとハッパをかけます。そして文化の家で学ぶことを勧めます。


ソ連時代のロシアでは、学校は勉強だけをするところだったそうです。クラブ活動のようなことは、地域にある文化の家に行き、指導してもらっていたとのこと。これは私のロシア語の先生からも聞いていて、学校は日本の塾みたいで、運動会や学芸会もなかったそうです。文化の家は各地域にあり、規模や取扱う文化の分野もそれぞれで異なっていたそうです。わざわざ遠くの文化の家まで通ったり、いくつも掛け持ちする子がいたり、文化の家事情は中々興味深いと思いました。
アンドリューハは俄然やる気になりますが、一緒に歌う仲間がいない事を嘆きます。僕の孤独を癒すのであればうるさいハエでさえ、そう、誰だって構わないのにーと言います。ここは表現自体難しい箇所でしたが、先生からは、芸術家と孤独という哲学的な意味合いまで読み取りましょうとご指導がありました。
クニーシカの会では、時代背景を把握し、政治、文化なども理解した上で「文学」としてテキストを読んで行くということを大切にしています。先生は私たちの質問に丁寧に答えてくださいますし、予習でははっきり見えなかった世界が色つきで見え始めるような感覚があります。今回も革命以前の農民文化についてなど貴重なお話を伺って、よき学びの時となりました。


絵本をご紹介しています。人気のチャルーシンの『鴨っ子ちゃんのお話』はちょうど今は鴨に雛が産まれて親鳥と一緒に過ごす季節ですからピッタリですね。(直)