美しいロシア絵本の世界を是非お手元でお楽しみください。
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2019年11月22日

明日は今月最後のオープンルーム。
冷たい雨になりそうですが、お部屋を暖かくしてお待ちしています!
ゆっくりとロシア絵本や資料のソビエト絵本など是非ご覧ください。


2019年11月21日

雪だるまが主人公のお話の「お日様と雪だるま」は、カランダーシの資料のソビエト絵本にもあってロシア絵本を訳す会の奈良支部のNさんが、訳してくださっている。人気があるのだろう。これは復刻版だ。ルーマニアのお話をもとにしたスレパコーワによる再話だ。

太陽に溶かされると命がなくなってしまう5体の雪だるまたち。太陽に出てこないで!と頼みに出かけて行くのだが、森で太陽を待ちわびる小さな動物たちに会い、自分たちの考えをあらためる。春。雪だるまたちは溶けてゆく。またもどってくることを夢見ながら。

相手を思いやる気持ちを持つ雪だるまたち。人参の鼻がチャーミング。そしてオストロフの描く雪景色の表現のなんと多彩で饒舌なこと!その表情の豊かさに見入ってしまう。いいなぁ、きれいだなぁ、と思う。

溶けることを受け入れる雪だるま。最後のページは切ない。でも、また雪となってもどってくるはず。きっと。(直)
http://karandashi.ocnk.net/product/390
2019年11月20日

カランダーシの資料にと、Mさんからオレイニコフの絵本2冊を頂戴した。Mさんからは、少し前にはロジャンコフスキーの絵本もやはり資料としていただいており、とてもありがたいことと感謝している。

オレイニコフの2冊の絵本は、学研ワールドえほんという月刊絵本の2005年の6月号と8月号。6月号の「あいたいな」はコファレンコフ作で、もきかずこ訳。マーシャという女の子が大切にしているくまのぬいぐるみのミック。絵本で見る本物のくまのミーシャに会いたくなり、家を飛び出して探しに行くお話だ。8月号の「ねむれないよう!」は、もきかずこ作。マーシャと一緒におばあさんのいなかの家に来たミックは夜眠れない。外に飛び出して色々な動物にで会うが、というお話。

両方とも小さなくまのぬいぐるみのミックに寄り添ってお話が進行し、ハラハラしたり、ほっこりしたり。6月号では優しさや柔らかさのある表現で温かい世界観に誘い、また8月号では夜の幻想的な表情を細やかな筆致で描き、独特のアングルや色使いで引きこむ。

オレイニコフは、現在の創作姿勢について、子ども向けには描いていないと言っているが、この頃は子どものためにこんな絵本を、しかも日本の子どもたちのために描いていたわけだ。一見の価値あり。とても素敵な絵本たちだ。

ロジャンコフスキーの絵本「NURSERY TALES」は短いお話がたくさん入ったとても豪華な内容の絵本で、アメリカで1944年に発行されたものを72年に再発行したものだ。ロジャンコフスキーはロシア人。亡命して、最終的にはアメリカで活躍し、コルデコット賞も受賞している。この絵本。お話の世界が生き生きと描かれ、とにかく楽しさ満載。白黒表現の巧みさも素晴らしいし、見応えたっぷり。見てるだけで幸せな気持ちになる。

Mさんからいただいた貴重な絵本たち。これらの絵本は、オープンルームの際にご覧いただきたいと思う。ぜひぜひ!(直)
2019年11月19日

神田・神保町方面へ。初めましての場所へ行きご挨拶をさせていただく。色々教えていただいて刺激も受ける。頑張らなくちゃと思ったり。

それから久しぶりにロシア専門書店のナウカさんへ。MさんやKさんにお会いできたし少しだけお話もできて嬉しいひととき。こちらではずっとカランダーシ刊の絵本を扱ってくださっている。感謝!

そして、せっかくの神保町なので探している本を見つけに目星をつけていたある古書店さんへ寄る。自力では探せなかったので、(蒼井優ちゃんと小松菜奈ちゃんを足して2で割ったような!)素敵な店員さんに聞いて探してもらったのだけど収穫なし。どこかで出会えるといいのだけど。(直)





2019年11月18日

今、カランダーシの部屋のテーブルには可愛らしい生花のアレンジメントが置いてある。想像以上によい香り。辺りの空気が柔らかくなって心和んでいる。

キツネとうさぎの絵本。ヴァスネツオフ画の昔話絵本だ。お話の内容はカランダーシ刊の「うさぎのいえ」と同じで、うさぎの家を乗っ取ったキツネを追い出そうと、次々と動物が登場する。ただ、こちらの絵本では狼、雄牛、熊が出てくる。最後に雄鶏が出てきてキツネを追い出すのは同じだ。

見返しに雪模様が描かれており、表紙のうさぎの木の皮のお家にも雪が積もっている。内容的には、冬から翌春までのお話で、季節の移ろいがとても重要なお話だ。ヴァスネツオフも、寂しげな冬の背景の色と柔らかな春の背景の色を変えて季節の移ろいを表現している。

繕い後のある大きめのブーツをはいたうさぎは小さくてかわいそうだけど、応援してくれる動物がたくさんいて幸せ者だ。でも、キツネは真冬でも何故か素足。おしゃれさんなのにちょっと不思議だ。(直)

http://karandashi.ocnk.net/product/389
2019年11月17日

良いお天気。

お散歩日和。
銀杏がきれいに色づいていた。

カランダーシの部屋に登る階段の横の桂の木。今年はきれいに色づくだろうか。
楽しみにしたい(直)
2019年11月16日

オープンルームありがとうございました。

実は今日はテーブルの向きを90度変えてみたのだけど、なかなか新鮮な眺めだ。しばらくはこのままにしておこうかな。

Sさんが抱えてきてくださった大切な絵本たちを拝見。この他にジェトマロースの飛び出す絵本も見せていただいた。有名なお話を色々な絵で見るのは楽しい。嬉しい。感謝!旅の思い出と絵本っていうのも素敵だし、また、旦那様がお土産に絵本を選んで買って来てくださるっていうのもかなり素敵だなぁ。(直)

2019年11月15日

明日はオープンルーム。よろしくお願いします。

Mさんからいただいたソ連時代の絵本。中には数冊子ども向けの雑誌もある。雑誌とはいえ、当時の大方の絵本と同じく、薄いザラ紙でページ数も18ページ(見返しがない作り方)しかない。

これは月刊誌で、「ВЕСЁЛЫЕ КАРТИНКИ 」。内容は短いお話、4コマ漫画、読者が作ったお話コーナーや、切ってカードにして遊ぶページがあったり、とてもヴァラエティに富んでいる。ユーモアがあるものが多く、楽しそうなものばかりだ。きっと子どもたちは毎月見るのを心待ちにしていたと思う。

カランダーシではこの雑誌を1年分まとめて復刻させたハードカバー版を扱っているが、艶のある立派な紙を使っており、驚くほど鮮やかな色彩に仕上がっている。オリジナルとはまた趣が違うなぁと思う。

両方見比べるのも面白い。オープンルームの機会に是非どうぞ。(直)






2019年11月14日

殿ヶ谷戸庭園。午後、しばし友人と秋の小径を歩きながらおしゃべり。話題は色々。でも、ほぼ同年代なので加齢についてのあれこれに大いに共感するところあり。紅葉には少し早いけれど空気は清々しく、よい気分転換に。(直)
2019年11月13日

マーヴリナの挿絵絵本「農民の息子イワンとチューダ・ユーダ」。チューダ・ユーダというのは伝説のドラゴン系怪物の名前で、このお話では12の頭を持ち、馬に乗って登場する。それを退治するお話だ。

頭が12って、多すぎない?と思うけれど、日本にも八岐大蛇のお話があるなぁとも思う。マーヴリナの挿絵の怪物は、ちょっと愛嬌も感じるような絵柄だ。

表紙の颯爽と馬に乗ったイワンの姿も素敵だが、馬も素敵だ。つぶらな瞳の表情もいい。脚の太い農耕馬で鬣が豊かだ。挿絵に馬がたくさん登場するけれどその描写が生き生きとしている。この馬たちは、農耕馬だけど、戦う馬でもあり逞しい。これは人と馬の物語でもある。

最初と最後の挿絵に登場する農民として働く通常仕様のイワンの姿がいい。農民としての矜持が伝わってくるような。(直)
http://karandashi.ocnk.net/product/388
2019年11月12日

今日の夕方、遠くに富士山がきれいに見えた。夕陽もきれい。でもあっという間に暗くなった。

午後から、連絡をいただいたり連絡をしたりがとても多かったのだが、今日は珍しく電話をよく使った。そしてあっと言う間に夕方になってしまった。

夜、「サラメシ」という番組に人形劇団プークが出ていた。「ハリネズミと金貨」という演目をやっているそうだ。これはロシアのお話だ。

おじいさんハリネズミは拾った金貨を使って、まずリスから冬ごもりに必要な干しきのこを買おうとするが、その金貨はどうぞ破れている靴のために使ってと言われて、干しきのこはもらうことに。次にカラスに出会って、靴を作ってもらうのだが、金貨は暖かい靴下のために使ってと言われ…結局金貨は使わずに必要なものは皆の優しさで揃えることができ、金貨は拾った場所に返すというお話だ。翻訳絵本(偕成社/田中潔訳)も出ているけれど、プークさんの人形劇にもなっていることは知らなかった。

この演目もとても気になるけれど、12月の毎年恒例ののマルシャークの「12の月のたき火」も気になる季節だ。今年こそは出かけたいなぁ。毎年そう思いつつ行けていない。でも、今年こそは行こう。だって、人生は多分あっと言う間だから。(直)


2019年11月11日

手帳とかカレンダーとか。書店に行くとそういうものがバーンと並んでいる。手帳を買わなくちゃと思いつつまだ買っていない。そろそろ買おう。そうしよう。

オレイニコフのカレンダー。大判だ。動物と楽器がテーマ。色彩も落ち着いていてとてもシックでカッコいいカレンダーだ。毎月ちょっと不思議で幻想的なオレイニコフワールドを楽しめるのは素敵なことだ。

カランダーシの部屋には絵や写真を楽しむ系のカレンダーが4つあって、毎月楽しませてもらっている。その楽しみもあと1枚。

その中でも仕事する時に一番よく見ているロシアのカレンダーの11月の絵はオオカミがメインで結構気に入っている。でも、色々と変な絵でもある。お話の挿絵だとするとかなりシュールなお話だろう。というか、その絵を見ながらシュールなお話が作れそうな。そんな絵だ。

というわけで今月は、そのカレンダーを見るたびに、変だなぁ、面白いなぁと思いつつ日々過ごすことになりそうだ。(直)
http://karandashi.ocnk.net/product/387
2019年11月10日

昨日午後からは、研究会の学びとして国際子ども図書館で開催された講演会「美術と絵本-冒険と革新」に行き、アートと絵本についてお話をうかがった。

講師はうらわ美術館学芸員の山田志麻子氏。革新という切り口で、美術潮流と絵本の足跡をフォーヴィズム、キュビズムあたりから辿るという内容。現在開催中の「絵本に見るアートの100年」鑑賞を、より具体的に深めてくれるお話で大変興味深く、もう一度展示を見たくなったのだが、時間が許さず残念だった。

ロシア・アヴァンギャルドについては、特にリシツキーの 「ふたつの正方形の物語」を訳文付きで詳しく見せていただいたのだが、その革新性に、なんてこった!と、あらためて驚かされるとともに、村山知義への影響なども具体例が示され印象深かった。

絵本も、常識を疑う革新性が創造してきた芸術の成果でもあること。そのことがよくわかる講演会だった。

そしてこのことをより深めていくためには、絵本って何だろうってことの自らの常識ってヤツを疑ってみるのも必要なのかな。うーん。なんと刺激的な。である。(直)
2019年11月10日

夕方まで上野にいて、それからダッシュで経堂へ向かい、東京ロシア語学院の70周年祝賀会に参加させていただいた。

学院関係者のこれまでの歴史を踏まえたご挨拶、大使館や関係各方面の方々の祝辞の後、華やかに乾杯。和やかな歓談の時の後の締めくくりは皆で「モスクワ郊外の夕べ」「カチューシャ」をロシア語で大合唱!私もロシア語学院万歳という気持ちを込めて歌わせていただいた。

戦後、元々は有志の方々のロシア語講習会が始まりであったというロシア語学院。それからずっとロシア語学習の歩みをを続けられている。その歴史はすなわち学院を支えていらした方々の情熱と信念の積み重ねの日々であったということがいただいた冊子「学院ロシア語教育の歩み」からも伝わってくる。

会場では、先生方や卒業生の方々とご挨拶させていただき、ロシア語の勉強についてもアドヴァイスをいただいたりもしてありがたいことだった。

今後の益々のご発展をお祈りしたい。(直)

2019年11月08日

明日のオープンルームはお休み。次回は11月16日です。よろしくお願いします。

型押しの雄鶏の立派な姿が印象的なタチヤーナ・マーヴリナ挿し絵のこの1冊はアファナーシェフが集めたロシア民話の中から67話も収録されている分厚い本だ。

マーヴリナは、ロシアの古くからの民族的な文化をとても大切に考えており、よく研究もして多数の民話の挿絵に取り組んでおり、独特の鮮やかな色選び、大胆な筆使いと柔軟な表現で、本当にお話が生き生きと新しく生命を得て輝いて伝わってくる。マーヴリナは国際アンデルセン賞受賞画家である。

この本の挿絵はカラーで描かれているが、各お話のタイトルは黒のペンの手描きであり、それにちょっとした小さな線描きの絵がお話の最初と最後に添えられている。それがユーモアもあって素敵で楽しい。

表紙の雄鶏は、「雄鶏と石臼」というお話の挿絵でもある。ロシアの民話にはよく雄鶏が出てくる。バーバヤガーの小屋も鶏の足の上に建っている。足にケヅメという突起があるのが雄の特徴らしい。
夜の闇(死の世界)が終わる時を告げる声を持つ鳥として特別な存在であるということも聞いている。(直)

http://karandashi.ocnk.net/product/386





2019年11月07日

吉祥寺の駅前。いつものバス停の前に今年はサンタさんのお家が建っている。扉を開けてサンタさんが出てくるということをやるのかしら。ちょっと中をのぞいてみたい。象のはなこさんの銅像の首のあたりには寒くないようにマフラーのようなものが巻かれている。花火の広場もすっかりクリスマス仕様だし、今年もだんだん年末が近づいているなあ。まだまだ実感はわかないけれど。

画像のオレイニコフの絵本は、おばあさんの知恵袋さんでも展示していた2冊。「私たちは船に乗って」はパパとママと私で世界を時代を旅してゆく絵本。いつだってママは右でパパは左。そしてわたしは真ん中。川や運河や海、そして宇宙を描く多彩な表現に注目したい。

「ゆりかごの本(子守唄の本)」はウサチョーフの詩。ちょっと不思議な子守唄の世界。オレイニコフはゆったりと静かにそしてユーモアも織り交ぜながら眠い眠いワールドを表現。目をつぶった子どもや動物たちの表情に心安らぐ。(直)
http://karandashi.ocnk.net/product/385
http://karandashi.ocnk.net/product/384
2019年11月06日

発送で郵便局やポストに行った帰りにコンビニで時々自分用のおやつを買うことがある。今日は結構悩んでしまった。ささやかなおやつなんですけどね。

オレイニコフの絵本を3冊アップ。「ロビンフッド」。イヴァノフスキーの露訳詩は1959年間に出版され大人気になっている。オレイニコフは先日の来日講演で話していたようにリアルに人間や状況を表現しながら遠い昔の伝説を色付きで蘇らせている。顔の傷、爪のヒビ…。しかし、独特のすっきりしたフォルム、抑えた色調、幻想性や疾走感のある表現などで、伝わるのは生々しさではなく物語の奥行きだ。

「アメリカを見いだしたのは誰?」はノーベル文学賞受賞作家のヨシフ・ブロツキーの詩を颯爽とそして寓意や皮肉、ユーモアたっぷりに大胆に表現。シェークスピアやニュートン、ベートーベンなど歴史上の偉人たちが次々と登場する中に、ターミネーターのあの方も。

「北欧の神話」はヤフーニン再話。こちらは絵本ではなく分厚い児童書、読み物書籍。オレイニコフは神秘的な世界をダイナミックでありながら細部にまで拘って説得力のある挿絵で構築。見応え充分。表紙が印象的。

http://karandashi.ocnk.net/product/381
http://karandashi.ocnk.net/product/382
http://karandashi.ocnk.net/product/383
2019年11月05日

夕方。犬の散歩とすれ違う。今日は時々見かけるエアデールテリアと優雅に歩くボルゾイ!を見かけた。ボルゾイは初めて見る顔だ。また会えたらいいな。

ご近所の互助会の事務所の前に置いてある無料配布の来年の占い冊子が来年のものになっていたので一冊いただいて帰る。来年は肝臓に注意らしい。そうなのか。気をつけよう。

その互助会の占いの冊子を持ち帰るのは毎年恒例のことで、秋も深まるとそろそろかな、なんて思いながら前を通る。今年ももうそんな季節になった。

オレイニコフの「ジェト・マロース誕生のお話」。ロシアの冬帝でありサンタクロース的存在であるジェト・マロースの絵本。不思議で幻想的。だけど親しみやすさもあって温もり感じる内容。見開きのツリーのページが美しい。クリスマスの贈り物にも。(直)
http://karandashi.ocnk.net/product/380
2019年11月04日

秋晴れの休日の午後。ちょっと外の空気を吸いにご近所散歩へ。今日は北向きコース。みずのそらさんは徒歩3分くらいにある一軒家アートギャラリー。現在、石月愛梨氏のスズランテープを使った個展開催中だ。

スズランテープをカットして重ねて貼り付けてゆくアート。鱗のような羽根のような半透明で光沢のあるテープの重なりが独特の風合を醸していて面白い。またテープをひねって捻ったものの集合体のアートは色合いの妙が楽しい。どちらも素材の軽やかさが効いていて明るいエネルギーを放っており美しく素敵だ。直接石月氏から制作のご苦労などお聞きして、スズランテープのアートとしての可能性に思いを馳せる。

こちらのギャラリーは連休中開催の西荻チャサンポーの参加ポイントでもあり、次々とお客さんがいらしていた。わたし達は併設のカフェでひと息。

それから、Second Story Coffee Rosterさんでコーヒーを買って、女子大通りのBenchtime booksさんをのぞいて帰途に。

新しい家が建っていたり、コワーキングスペースができていたり、いつもは自転車で通り過ぎていたので気付かずにいた発見もあり、短い時間だったけれどよき西荻散歩だった。(直)

2019年11月03日

暑くなく寒くなく。1年中こんな感じだったらよいのにと勝手ながら思ってしまう。でも、紫蘭の葉がいつの間にか枯れているし、どんどん季節は進んでるようだ。

三鷹のストーンウエルアートギャラリーに現代ロシア写実主義絵画展を見に行ってきた。こちらは、ストーンウエル=石井氏が自らの主に風景画のコレクションを展示するために建てた個人立の美術館で、今年6月にオープンしたばかりだ。最近行かれたというMさんや何人かの方に教えていただいており、今回初訪問。

モダンでスッキリしたデザインの建物。芝生のアプローチに植栽は白樺。入口はガラスサッシで中の様子が見え期待が高まる。中に入ると入口の正面広い掃き出し窓から白い玉石を敷き詰めた日本庭園が見える。内観は白い内装に大理石用の床。壁にぐるりと初夏から晩秋までの季節に沿った風景画や静物側など30点程が掛けられている。

さあ、見るぞ!と進もうとするも、まず、入口脇の壁に掛けられている4点の作品にしばらく足を留めてしまうことになる。なんと、「芸術世界」のアレクサンドル・ベヌアやドブシンスキーの演劇衣装のエスキースの原画が展示されているのである!ご縁があって石井さんの元にやって来たそうでこれにはかなりびっくり!

館長で写実主義絵画研究家である石井徳男氏が丁寧に説明してくださるので、そこから始まる写実主義の絵の鑑賞はとても親近感を持てて楽しいものだった。人物よりも風景描写が多く描かれてきたロシア写実主義絵画であるが、こちらのコレクションは1989年から4年間に蒐集された時代の空気を反映したイデオロギー色のあまりないものが主軸とのこと。季節柄もあるだろうがどの作品からも大らかな自然と豊かな詩情が伝わってくる。

個人的に風景画はとても好きなのでどの作品も楽しむことができたのだが、特に微妙な色合いに晩夏の切なさも感じさせるアヴァキミャーンの「8月の終わり」は大変印象深く心に残っている。石井氏と親交があるというネシシームヌイの「昆布漁師」は人物を配した構図と動きが面白く、また水面の描写の明暗のコントラストが際立つ日本滞在中に訪れたという石廊崎の景も目を引いた。まとめて展示してされていた薔薇の静物画や女性像もアクセントのように記憶に残っている。

解説を聞きながら、本物のロシア絵画を本当に間近に見る事ができるのは贅沢なことだ。距離感的には少々乱暴な対比かもしれないが、大きな美術館がコンサートホールなら、こちらはライブハウスのような場所かもしれない。

とにもかくにも私邸を美術館として建て直し 、そのコレクションを公開してくださっているその心意気と志にスパシーバ!なのである。

◆行き方:吉祥寺公園口から小田急バスで15分、「新川」で下車5分。駐車場有。
◆住所:三鷹市新川6-3-19 (セブンイレブンのそば)
◆開館:水、土、日の10:30~17:00
◆入場料:800円(学生600円)

http://ishii-gallery.com
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