美しいロシア絵本の世界を是非お手元でお楽しみください。
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2019年11月02日

オープンルームありがとうございました。
来週はお休み。次回は16日。
よろしくお願いします!

画像はブラートフ&ブァシリーエフの「世界動物物語集」。動物たちの色とりどりの衣装を見るのも楽しい賑やかな絵本。http://karandashi.ocnk.net/product/341
2019年11月01日

明日はオープンルーム。

11月。山茶花の花芽もいつのまにか膨らんできている。
秋の午後、ゆっくりとロシア絵本を是非ご覧にいらしてください。

西荻ではチャサンポーというイベントも開催しているようですよ。
2019年11月01日

先週、動物病院の前を通ったら2匹の兄弟猫が保護されていて、ケージの中で遊んでいる姿をガラス扉越しに見ることができた。

1匹はキジトラ猫でもう1匹は白黒猫。まだ生後1カ月と里親募集のポスターに書いてあった。これから冬なのにこんなに小さくて大丈夫なのかしら、とちょっと心配になったけれど、2匹はとても元気にじゃれあって遊んでいた。

今週同じ場所を通ったら、どこかに行き先が決まったらしく、ケージもポスターもなくなっていた。2匹は一緒にもらわれたのかな、そうだといいな。

画像はクリスマスと子猫のお話絵本。「クリスマスツリー、猫とそして新年と」だ。サンクトペテルブルクで活躍している画家マリヤ・パヴロヴァが描くリアルで愛おしい猫たちの物語。光の表現が美しい。カレンダーも入荷。贈り物にも。(直)
2019年10月30日

Mさんからいただいたソビエト時代の絵本に何冊かパタパタと広げて読むタイプのジャバラ絵本がある。1967年刊のものだ。

ページ分の厚紙をそれぞれ少し間隔をあけて並べて絵本の内容が描かれた紙を貼り付けて、ウラ面にも同じように絵本の紙を貼り付けて作ってある。

ソビエト時代の絵本は薄い紙のホッチキスどめが一般的だと思うのだが、こういう絵本もあったようだ。

手前左のちいさなサイズはNさんからいただいたものなのだが、こちらもジャバラ絵本だ。いずれも艶のない表面がケバだつような質感の紙を使っていて、本自体は固い作りなのだが、手触りは優しい。

見開きごとにひとつの世界観がある普通の絵本と異なり、パノラマのように内容を見渡せたり、また裏面に続いていったり、パタパタと広げたり閉じたりという面白さがある。そして今でもロシアではこのジャバラ方式絵本は見かける。

繰り返して読んだのだろう。さすがにページの外側の連結部分は傷みも見えるが中身は概ねきれいで厚紙部分はびくともしていない。しっかり作られ、丈夫で長持ちということになる。価格はホッチキスどめに比べると少し安いようだ。

ジャバラ絵本、屏風のように立てられるのも魅力だ。(直)

2019年10月29日

クニーシカの会は嬉しいことに人数が増えたので机を増やし連結してみた。そうしたら、部屋中机って感じになって笑ってしまったけれど、やはりノートを広げたり、辞書を広げたり1人分のスペースはちゃんとあった方がいいので、これはこれで良いこととしよう。

今日もコズリナ先生からなるほど!のご指導を受けながらお話を読み進めていった。昔の農民たちが会話の中でぽっと難しい政治的用語を使うケースがあることについてや、ロシアのカラス事情などなど、辞書をひくだけではわからないことを色々教えていただいた。

今日のお茶は先日Sさんからいただいたリトアニアのハーブティ。そのSさんからお借りしているバルト三国の絵本やMさんからいただいたソビエト絵本もテーブルの真ん中に置いて皆さんに見ていただいたり。

外は冷たい雨だったが、皆さんとロシア絵本に向き合う温かいひとときを持つことができ、感謝!(直)
2019年10月28日

「ビーツ、私のふだん料理」(荻野恭子/地球丸)は、先日お会いしたAさんにすすめられて購入した。

私は、ロシア人やロシアに詳しそうな人と知り合うと、大抵ボルシチの作り方を聞いてきた。材料はさして変わらないが、作り方は様々。肉の扱い、そしてビーツの扱いも色々だ。切り方もそうだし、そのまま使う、茹でてから使う、そして酢漬けを使う等など。結局ベストレシピは自分でみつけていくしかないかな、という結論にいたっている。

このビーツの本のボルシチのレシピは酢漬けビーツを使っている。他でも聞いていたがこの作り方はまだ試したことはない。ビーツの色落ちを防ぐには酢漬けを使うのがいいかもしれない。今度やってみようと思っている。そう、ビーツは色落ちする。この本には記述はなかったが、ベタレインという色素の特性のせいだ。

ビーツのルーツが北アフリカにあること、世界中で食べられており、日本には江戸時代には入ってきたことなどのビーツ豆知識や、著者による世界中のビーツ料理の多数の写真、もちろんお馴染みの料理から珍しい料理まで、レシピも色々収録。作り方はシンプルなものが多いようなので、チャレンジしようかな、というものもいくつか。

そして、ビーツをジャムやアイスにしたり、カレーに入れたり、白和えにしたり、きんぴらにしたり!とビーツの世界が広がる広がる。びっくり、面白い。おしえてくださったAさんに感謝だ。

蛇足だけれど、書名の中のふだん料理という言葉は、ビーツがフダンソウの親戚だからそれにかけたのかなぁ。まさかね。(直)




2019年10月27日

午後から夫と神保町 ブックフェスティバルへ。

古書の出店が並ぶ通り、出版社の出店が並ぶ通り。とにかくかなりの人出だ。ちょいちょい食べ物の出店もあり、美味しそうな匂いもしている。そして、そのごっがえす人出の中で知り合いにばったり会ってしまう楽しさよ。

結局、アート、デザイン関連の本と、そして読まなきゃと思っていた民族誌の本と、アヴァンギャルド柄のマグカップなどを購入。他の知り合いの出店にご挨拶に行ったり、東京堂さんをのぞいたり、突然始まるバンドによる神保町の歌!に手拍子したり…短い時間ではあったけれど、お祭りの活気を味わわせていただいた。

さて、パンフレットを見ると、このフェスティバルのキャラクター、じんぼんというのが描かれているのだが、一体どんな設定でどんな活動をしているのだろうか。今のところ謎である。(直)




2019年10月26日

昨日の雨の被害が甚大だ。先週の台風の後にまたこんなに降るとは。もう11月なのに。

昨日の ゲンロンカフェで開催された「ユートピアを記録する/記憶する コンセプチュアリズムとペーパーアーキテクチャから見るロシア芸術」(上田洋子×鴻野わか菜 ×本田晃子)は情報量も多くとても興味深い内容だった。

本田氏による主にアレクサンドル・ブロツキー&イリヤ・ウトキンのソ連時代の紙上のアンビルト建築計画・ペーパーアーキテクチャの作品を中心とした紹介と解説。それぞれの意図とメッセージは両義性も含めて幾重にも複合的にとることができ、シニカルで寓意的で刺激的でそしてユニークで、どの図版も前のめりで見てしまった。失われた住まいの博物館という建物の納骨堂、過去から現在までの建造物が入れ子状態で重なり海を漂うノアの方舟という作品、近づくとただのガラスの板の重なりというクリスタルパレス、またブロツキーによる廃墟の建築などなど…。

鴻野氏は、「人は存在しないもの、実現不可能に思われるものを夢見る生き物であり人類全体の特性であると同時にロシア文化の特性のひとつ」という脈絡でソ連、ロシア芸術を振り返ったのだが、中でもイリヤ・カバコフについて詳細に語ってくださり密かに興奮。私は絵本からカバコフを知った稀有な立場なので、カバコフの絵本挿絵に対する冷めた?姿勢には少々複雑な思いがある。が、芸術家としての活動にはとても魅力を感じるし、さらによく知りたい思いでいる。

詩についての「さきに世を去った詩人たちの言葉を記録し、永遠のものにするという使命感を多くのロシアの詩人たちが抱いている」という言葉が心に残る。(これを聞き、詩人ではないけれど、詩の言葉の記録(記憶)という意味で私のロシア語の先生のことを思った。まさに古い時代の詩の言葉が魂と共にある方なのだ。ロシアの詩の文化は本当にすごい)

絵本という点では、カバコフの「プロジェクト宮殿」という作品の中の架空の人物の1人、ベットに横たわり昔親しんだ絵本の挿絵を眺める青年のことが気にかかっている。色々と質問したかったのだけど、とりあえず宿題として持ち帰ることに。

上田氏による進行や共感や補足や質問など含めてお三方のやり取りは雰囲気もよく聞きやすくよかった。もう少し対話的なところで深まるお話お聞きしたかったというところもあったけれど。
ご紹介いただいた主な作品や作家たちやお話を通していただいた今回のテーマにおけるメッセージは、まずとにかく失われた人、時間を忘却せずに記憶にとどめ続けてゆくこと、その視点は本田氏の言葉を借りると「大きな主語」ではなくごく身近なものであり、そして、失くしたもの(人)があまりにも多い歴史の中で、鴻野氏の言葉「夢見る力」により芸術が生まれてきた道のりが現在のアートにも引き継がれ、そしてそこには宇宙という思想があり…ということなのかなぁなどと思っている。無理やりまとめなくてもいいんだけどね。

そしてチシコフの「芸術とはものではなく思想である」という言葉をぼんやり胸に抱き、酔っ払いの方々で一杯の週末の山手線に乗って昨晩は帰宅したのであった。
学ぶこと多しのよきイベントだった。感謝!(直)
2019年10月26日

明日はオープンルームはお休み。11月の予定は2、16、23です。よろしくお願いします。

五反田ゲンロンカフェで開催された「ユートピアを記録する/記憶する ーコンセプチュアリズムとペーパーアーキテクチャから見るロシア芸術」(鴻野わか菜 ×本田晃子×上田洋子)に行ってきた。7時スタートで終わったのが11時過ぎ!でもあっという間。図版もたくさんで内容濃くとても面白い内容だった。明日に続く。(直)
2019年10月25日

ビリービンは1942年にレニングラードで亡くなっている。昨日こちらで紹介した岩波新書の「独ソ戦」の中にもドイツ軍によるレニングラード包囲戦のことが詳しく書かれているのだが、読みながらビリービンのことを思った。飢えに苦しみ、敵が攻めてくる恐怖にさらされながらも、ビリービンは最後まで誇り高く、祖国を愛し守る騎士のようなプライドを持っていたという。

先日のイーゴリ・オレイニコフの講演会では、ビリービンのような美しい挿絵ではない、リアルを描きたい、というようなお話があった。そういう表現を目指すこと、それはそれで面白いなぁと思ったのと同時に、このお話から、オレイニコフのようなロシアの現代の第一線で活躍する画家にも引き合いに出されるほどビリービンの存在はやはり大きいんだ、偉大なんだとということをあらためて教えてもらえたわけでもある。すごいな、ビリービン!である。

画像はコンパクトなサイズで手軽にビリービンの ロシア民話の挿絵が楽しめる一冊。蛙の王女とマリヤ・モレーブナ収録。

2019年10月23日

「独ソ戦 絶滅戦争の惨禍」(大木毅著/岩浪新書)を読んだ。この本、新書の売上ランキングで上位をキープ、7万部も売れているらしい。

少し前、ある出版社の人とロシア関連の本について話をしていて、ロシアって関心持っている人はそんなにたくさんはいないよね、などというちょっとさびしい流れになったのだけど、いやいや今ソ連関連で滅茶苦茶売れてる本がありますよ、と教えてもらったのがこの新書だ。帯文は「戦場ではない地獄だ」である。

戦争の実像とは過酷なものであるが、この戦いのここまでの凄惨さについて具体的に知るのは初めて。人類史上最悪といわれる所以を突きつけられる。

まずは、ソ連は大戦全体的で軍、民合わせて2700万人の死者、ドイツは600万〜800万人以上の死者を出したというとんでもない数字を直視しなければならない。

独ソ戦争の経緯は、政治や経済の側面、具体的な数字や例、微妙な心理的分析など盛り込み読みやすくまとめられていて、またヒトラーにおける絶滅戦争、そしてまたスターリンにおける大祖国戦争という根底的な思想、イデオロギーついてもわかりやすく書かれている。

帯の推薦文に「…人類史上最悪の戦争に正面から向き合うことが21世紀の平和を築く礎となるだろう」とある。
本当にそうであってほしいと思わざるをえない。(直)

2019年10月23日

昨日の続きでもないが、そういえば、ロシア絵本で宇宙的なものを扱ったものってどんなものがあっただろうと考えてみたところ、コズロフのお話を思い出した。

資料の棚にある「Осенние Сказки」。「秋のお話」だ。これはカランダーシで扱っている(現在品切れだがもうすぐ入荷)の「僕たち、ずっと一緒だよね? 」の中のいくつかのお話をまとめたものだ。邦訳は「ハリネズミくんともりのともだち」(岩波書店)。

実は「秋のお話」は画家がカランダーシのものや岩波書店のものとは違うのだが、こちらもとても素敵だ。この画像はその中の「どうやって雲を釣り上げるか」というお話。

ハリネズミと子グマが干し豆を餌に川で雲を釣ろうと釣り糸を垂らすのだが、釣れたのは、何とお月様。お月様はちょっとふらついたあと上空に戻り、その後、2匹はお星様を次々に釣り上げ、最後にお日様を釣り上げるというお話。

宇宙との距離感もそうなのだが、この小さな動物たちが暮らす森のお話には独特の世界観、哲学があり、奥が深い。とても心ひかれるお話たちだ。(直)

2019年10月21日

市原湖畔美術館で開催されている「夢見る力ー未来への飛翔 ロシア現代あーとの世界」展。昨日の続きである。

まず最初に私たちを出迎えるのはレオニート・チシコフによる「祖先の訪問のための手編みの宇宙ロケット」だ。着られなくなるまで着た衣類を割いてリボンにして編んでロケットの型に被せている作品だ。

ロケットの先端は天を指し、まさに未来への飛翔!の象徴のようでもあるが、このロケットは悲しいかな、天井から吊り下げられている。地上から同じ距離を保ったまま飛翔どころか、1㎜も進むことはできない。

しかし、それでいいのである。宇宙とは進むべき未来でもあるし、また還るべき故郷でもあるから…なんて思ったりもするのも、今展はまさにその宇宙とは何かということも含め、アーティストたちの作品を通してあれこれ思いを巡らさざるを得ないところがあったからなのである。

シンポジウムでは、ロシアが宇宙をどう捉えてきたのかを、沼野氏は思想や哲学、文学を通して、高橋氏は音楽、また鴻野氏はアートの文脈で語ってくださった。

沼野氏からはロシアコスミズムの潮流のお話もあり、高橋氏は革命における音楽家たちの企みを解説してくださり、そして、鴻野氏は象徴主義の時代から現代までの主だった動きとまた今展のアーティストについて詳しく述べてくださった。とても勉強になった。

絵本的立場からすると、ベヌアの絵に多く登場する噴水の解釈、「宇宙的な高みを目指す人間の心」が面白かった。彼の描く水に映った風景描写は美しい。

水辺に映るといえば、地下階には水を張ったポノマリョフのインスタレーション作品があった。タイトルは「ナルシス」だ。彼は、ここではないどこか、を海に求め、彼にとって宇宙を感じる場所という南極でビエンナーレを開催しているアーティストだ。

知識もなくアート云々を語る立場ではないという前置きは必要だし、また断片的な情報から物を語るのは気がひけるのだけれども…アメリカのアートサイドがテクノロジーに乗っかる方向で、実際の宇宙で美術展を開こうと考え、まずは人工衛星に絵を描いたりしていることを読んだりしていて、そこと単純に比較するのは無謀すぎるのかもしれないけれど、今展の作品を見る限りにおいて、コスミズムに向き合うことから作品を作ったり、月を抱えて世界を旅したり、人生を振り返ったり、天国をイメージしたり、和紙と竹で美しい羽根を作ったり、海を越えて極地を目指したり、というところが、ああロシアなんだなぁとしみじみ思ったり。

さて、それはそれとして、帰り道、すっかりコスミズム!に感化された私からは、車から遠くに見えるカッコイイ市原湖畔美術館の建物自体がまるで宇宙基地のようにも見えたし、展望台がまるでロケットの発射台にも見えたり。

とすれば屋上のトクサの群れのようなパイプオブジェは宇宙と交信しながら揺れるはずだろう。多分。きっと。(直)
市原湖畔美術館
2019年10月21日

千葉の市原湖畔美術館へ「夢見る力-未来への飛翔 ロシア現代アートの世界」展を見に出かけてきた。今日は午前中に鴻野わか菜さん(今展ゲストキュレーター/早稲田大学教授)のギャラリートーク、午後からは沼野充義さん(ロシア東欧文化/東京大学教授)、高橋健一郎(ロシア音楽/札幌大学)さんと鴻野さんのシンポジウムが開催された。

今日は久しぶりにマタンカちゃんも一緒にお出かけ。湖畔に佇む美術館で秋の1日を共に過ごした。続く。(直)

2019年10月19日

オープンルームありがとうございました。
次回は11月2日となります。よろしくお願いします。

お客様のMさんからソビエト時代の絵本をカランダーシで活かしてほしい、との言葉と共にたくさん頂戴した。大変ありがたい。そしてとても嬉しい。ソビエトに赴任されていたお父様からの贈り物だったそうで、1冊ずつ表紙に鉛筆のナンバリングがある。

今日頂いたものは初めて見るものばかりで、塗り絵などのお楽しみ絵本や貴重な雑誌も含まれておりソビエト時代の絵本界隈事情の豊かさにあらためて気づかされている。

また、頂いた絵本をながめていると、父親が子どもを思う気持ちが伝わってきて感慨深い。とても丁寧に選んでいるのがよく分かるのだ。絵本の選択というものは言葉が適当かとうかわからないか実はとてもクリエイティブなものなんだとも思わされている。

これらの絵本は、ダイアリーで少しずつご紹介もしていきたいが、カランダーシにあるソビエト時代の絵本を「活かす」ことは考えてゆきたい。感謝をこめて。(直)
2019年10月18日

明日はオープンルームです。10月はこれで最後。11月は2、16、23を予定しています。どうぞよろしくお願いします。

カランダーシの部屋には資料としての日本語訳のロシア絵本も置いてある。とくに増やしていこうというつもりはないのだが、いただいたり、出かけた時に目をつくと、へぇ、こんな絵本があったんだとつい買い求めたりしてきた絵本たちだ。

こちらも是非ご覧になっていただけたら嬉しい。(直)
2019年10月18日

ロシア語の先生に見せていただいた1959年刊のロシア語版プーシキンの「ヌーリン伯爵」。ちょうど60年前に発行されたということになる。きれいな色合いのカバーは当時としてはかなりモダンだったのではないか。挿絵も洒落ていて素敵なのだが、画家の名前は分からなかった。

先生はこの一冊分の詩を全部暗唱できるという。お願いしたら、途中までだが、朗々と諳んじてくださった。以前からどんなロシア語の文章でも気持ちを込めて読んでくださっているのが伝わってくるのだが、プーシキンの詩に関してはまた思い入れが違うようだ。

先生にとってプーシキンはとにかく別格で、尊敬し、また愛してやまない存在である。小学生の頃からいくつもの詩を読みこみ、難しい言葉の意味を調べ、自分の語彙を増やしていったという。小説よりも詩で使われる言葉の方が難しく、詩の方が文学として優れている事、そしてその詩の作り手として圧倒的トップに君臨するのが何といってもプーシキン!であること、そして、37歳で死んだことはとても残念だ、などなど話してくださった。

ありがたく貴重なお話だった。
たっぷりの紅茶をいただきながら。(直)
2019年10月16日

キンモクセイがあちこちで一斉に咲いている。良い香りだ。鼻を効かせて花を探しながら歩いたり。気温も下がってきた、秋本番といったところだろうか。

サモワールの形をした「サモワール」という絵本。ロシアの古くから伝わる短く楽しい詩を集めた絵本。ビトゥーシキ、バトルゥーシキというパンの名前が繰り返し出てくる何とも美味しそうな詩のページでは、立派な旧式の煙突を付けたサモワールが登場している。

お茶が美味しい季節になってきた。カランダーシの部屋のサモワールも出番が多くてなるだろう。熱いお茶で温かな時間が過ごせるといいな。(直)

http://karandashi.ocnk.net/product/280
2019年10月15日

まだ全貌がわからないですが…台風の被害に遭われた皆様にこころよりお見舞い申し上げます。

先日オープンルームにいらしたSさん。夏に旅行されたバルト3国の絵本などを持って来てくださった。左上から時計周りにリトアニアのおとぎ話絵本、ラトビアの昔話絵本、リトアニアの民族音楽のCD、エストニアのお話集だ。それぞれ特徴があり興味深い。

リトアニアの絵本(編/ブロニスラバ・ケルベライト、絵/イレナ・シビリウビエン)は英語版。神秘的なお話と落ち着いた色調の幻想的な挿絵に引き込まれる。リトアニアの絵本(絵/アギジヤ・スターカ)はなんと英語対訳版。短い素朴なお話を2ヶ国語で楽しめる。リトアニアの子どもたちの英語学習のための絵本なのだろうか。そしてエストニアの本(編/タルベット、英語/タムサール)は、なんとロシア語版。こちらは文字も多い児童書の部類になると思うが、端正な不気味さに満ち溢れた挿絵に痺れている。タリンのガイドブックもお借りしてきのだが、明るいような暗いような光射す街並みや色合いが絵本の雰囲気が呼応しているようにも思えて面白い。

これらの絵本はしばらくお借りできるとのこと。感謝! 魅力的で珍しい絵本たち、オープンルームの際に是非ご覧ください。(直)
2019年10月14日

冷たい雨の月曜日。連休最終日だが周りは静かだ。熱いお茶が美味しい。

カランダーシ刊「わいわいきのこのおいわいかい」はきのこに関心が高まるこの季節。注目していただきたい絵本だ。擬人化されたたくさんの種類のきのこが登場する。絵は国際アンデルセン賞受賞画家のマーヴリナだ。

右のページのキンチャヤマイグチやヤマイグチたちは白樺の林に生えるきのこ。だから頭に白樺の葉が乗っているし、ヤマドリタケのおじいさんへの贈り物に白樺の皮で編んだ靴を持っていく。というわけだ。実際、ロシアの森でたくさん見かけたきのこだ。

先日北海道に行った時、白樺の林をたくさん見かけたのだが、もしかしたらイグチの仲間のきのこが生えていたのかもしれない。

旭山動物園に行く時に、バスツアーで行ったのだが、ガイドさんが、白樺は腐りやすく燃えにくいのであまり役に立たない、シロップのジュースはありますけどねーと言っていた。

その言い方を聞いて、白樺を国民の木として愛してやまないロシアとはちょっと温度差があるかもと思ってしまった次第。風景としてもとても美しいと思ったけれど、見慣れてる人からするとあまり感動はないのかもしれない。(直)

http://karandashi.ocnk.net/product/97
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