美しいロシア絵本の世界を是非お手元でお楽しみください。
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2020年04月22日

カランダーシでお取り扱いさせていただくことになった『アニメの詩人ノルシュテイン』(東洋書店新社)。帯に「ロシアアニメーションの巨匠のノルシュテイン。その人生と作品を、もっとも信頼される通訳者が描く。作品について、芸術について、世界について」とある。

これはノルシュテインと長きに渡り深い交流を続けられてきた通訳者であり、翻訳者であり、エッセイストである児島宏子さんの最新著書である。

冒頭のノルシュテインから児島さんへの愛のあるメッセージを始めとしてその交流が現在進行形であるという、そのリアルタイム感がまずは本書の大きな魅力だと思う。

おふたりが1993年に最初出会われた時のことを読むとその時から心通い合う様子がよくわかる。以来その交流は約30年にわたる。普段お互いは遠く離れて暮らしているけれど、尊敬し、理解し、本質的なところで繋がっている…ノルシュテインは児島さんのことを「友人」という言葉で記している。

そういう交流があるからこそこそ伝わってくる人間ノルシュテインの素顔、というものを知ることができるのは貴重であるのはもちろんだが、何といっても児島さんによるノルシュテイン諸作品の丁寧な解説が大変ありがたい。今後はカランダーシの部屋でいつも見ていた映像をぐっと興味深く見ることができるはずだ。気になる「外套」制作についても記述がある。また児島さんの思いも。

先ほど、この交流は現在進行形であると書いたが、本書の最後はまさに今年にについて希望ある文章で締めくくられている…。児島さんはその文章を書いている時にはまさか世界中が濃い霧の中に沈んでしまうような出来事が待ち受けているとは思ってなかっただろう。誰もがそうであるように。

でも、きっと霧の中のハリネズミがこぐまに会えたように、何があってもまたおふたりは再会を果たし、喜び合い、そして静かに深く語り合われるのだろう。
どうか、その日が早く訪れますようにと願うばかりである。(直)
https://karandashi.ocnk.net/product/445

画像は庭のシラーとビオラたち。
2020年04月21日

今日はオンラインでクニーシカの会を開催した。先月はやむなくお休みをしたのだが、再開の目処が立つのがいつになるのかわからない。だったら…ということで踏み切ることにした。この提案にコズリナ先生も賛同してくださり、とにかくやってみましょう!ということになったのだ。

どんな方法にするか、利便性やセキュリティなどを調べてまず家族間でテストしたりする中、ロシア語会話の先生ともSkypeでのレッスンが始まり、オンラインで何とかやっていけそうだとの感触も得られてきた。参加者の皆さんへも連絡。それぞれ、ご事情もあり、参加が叶わない方々もいらっしゃるが、オンラインという方向性にはご理解をいただき、とにかく始めてみることにした。

ということで今日、とにかく離れ離れの場所にいながらも1つのテキストを読み合い、分かち合うことができたのは大変ありがたいことであったし、嬉しいことであった。オンラインに心から感謝である。

クニーシカの会。小さな歩みだけど大切な歩みだ。またここから一歩ずつだ。

画像はベランダのジャスミン。オンラインは便利だけど香りを届けることはできないのは残念だ。(直)
2020年04月20日

ロシアの郊外の家、ダーチャ。もともとは11世紀頃にピョートル1世がペテルブルクを作る際に家臣たちに与えた土地のことで、ダーチ(дать=与える)が語源とのこと。帝政時代は貴族、そして19世紀あたりになると中流階級の人々が求めるものとなるが、ソ連成立時に一旦没収され、後に労働者たちに広く与えられた。

現代でも週末には都市部から車を駆って郊外のダーチャに行き、菜園作りに勤しんだり、森でベリーやきのこをとったりする生活を送る人は多い。

自然豊かなダーチャの周りにいる様々な生き物たちを紹介している「生き物図鑑絵本・ダーチャには誰が住んでいるの?」数年前ハードカバー版をご紹介したが、今回好評のためソフトカバー版で再登場。前のページに隠れている次の生き物を当てたり、最後のページの身体の一部の一覧その動物が何かを当てたり、工夫を凝らした内容となっている。

今、モスクワなども大変な状況だ。街を閉鎖する前にダーチャへ疎開した人もいるようだが、今は無理と聞いている。仕方ないことなのだが、ライフスタイルにダーチャが組み込まれている人たちにとってそれも相当なストレスだろうと想像している。

郊外のダーチャの周りに暮らす生き物たちもいつもの春と違う変化を感じているのではないだろうか。(直)

詳細 https://karandashi.ocnk.net/product/126
2020年04月18日

今日は朝からかなりひどい雨で、お昼過ぎには大雨洪水警報が出て、サイレンが鳴ったりもしたが、夕方になる前には何事もなかったかのように青空になる。新緑に雨粒がきらきら。

「ロシア民族美術全集」はロシア伝統の民族的な絵柄、模様を工芸品と共に多数紹介、とても充実している。歴史や背景、そして描き方まで掲載されており大変参考になる。

普段ロシアっぽい柄、あるいはロシアっぽい色使いなどと漠然と持っていたイメージのルーツをここで見つけることができるのではないか。

絵柄のテーマは植物、花、実、そして鳥や馬、や人々の暮らしなど。色としてはやはり赤色がポイントとなる。また工芸品の材としての木の使い方の巧みさにも注目したい。

これらは昔から生活を彩り、飾られ、愛されてきたゆるぎない民族の宝物であり誇りでもある。ロシア文化を知り深く触れることのできる貴重な一冊。(直)
詳細 https://karandashi.ocnk.net/product/443
2020年04月17日

ビリービンの絵本の森の様子を見ていると、昔よく登っていた近所の山のことを思い出す。途中ひらけているけれど木が生い茂り、昼なお暗きゾーンを通るのだが、通り道から少し離れたところにある一軒の木造の民家?が気になっていたのを覚えている。人が住んでいるのだろうか?こんな陽の射さない森の中に?と思うのと同時に何とはなしの怖さも感じていつも足早に通り過ぎていたように思う。

ビリービンの挿絵で森の様子やバーバヤガーの家などを見ているとそんな遠い記憶が蘇ってきたりする。森の描写がリアルで怖さがある。無残な倒木、ひょろひょろと曲がって先行きが心配な細い若木。小さいのに枯れて葉を落としている幼木。地面に散らばり踏みつけられている枝。歩くとバキバキ音がするような。羊歯やきのこからは湿気も感じる。

ビリービンの民話絵本の挿絵では、自然、森の描写がとても見応えがある。森に注目すると、それはもはやいわゆる背景ではなく、登場人物と対等の存在感で迫ってくるような挿絵もある。

森のリアルな描写は物語の挿絵としておおいなる説得力を持っていると思う。枯れたり折れたり、生まれたりの木々の生々しい生命の現場を描くことで、物語の凄みが深まる。

数年前、ロシアの森できのこ狩りをした時、方向も何も分からず森に飲み込まれたように思った。リーダーがいなければ確実に遭難だと確信していた。きのこ狩りは、楽しいけれど森に圧倒される怖さや不安や緊張感もあった。

そんな中、いきなりどこからともなく1人のおじさんがずんずんと現れ通り過ぎていった時には心底驚いたの何の…。

そして、今。
暗い森の中に迷い込んでいるような日々でもあるなぁと思う。この物語はどんな風に紡がれてゆくのだろう。(直)
詳細 https://karandashi.ocnk.net/product/442

ビリービンについて
http://lucas705karandashi.blogspot.jp/2012/05/blog-post.html
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2020年04月16日

表紙の明るくて、きれいな色使いが心弾ませてくれる「モザイカー詩を集めたよ」は詩人エカテリーナ・セローバの詩にボリス・カラウーシンがとびきりの楽しい挿絵を寄せている。モザイカとは、いわゆるモザイクや寄木模様など、パーツを寄せ集め組み合わせて作り上げられている様子あるいはそのような様子を表現している言葉だ。

カラウーシンは1929年サンクトペテルブルク生まれ。芸術に理解のある家庭に生まれ、6歳のころからスケッチを始め、少年時代より自分の作品を纒めており、また文章も著している。戦後芸術アカデミーで学び、それからは主に子どもたちのための活動を中心に活躍。ずっとロシア・アヴァンギャルド表現を支持しており、それは自身の表現からも伝わってくる。作品は国立ロシア美術館やトレチャコフ美術館になどにも収蔵されている。1999年に亡くなっている。

新しさと素朴さと。攻めているけど、独りよがりではない。ユーモアが効いていて、終始一貫、読者=子どもたちに喜んでほしい、というスタンスが感じられるのだ。大人の私だって思わずニコニコしてしまう。でも決して媚びてはいない。

表紙見てるだけで何だか元気になる。
いいな、カラウーシン。(直)


2020年04月15日

ジャスミンが香っている。薔薇も小さな蕾をつけている。季節は前に進んでいる。

ラチョフ画「クルィロフの寓話集」。ラチョフの筆は動物の姿に人間性を見事に投影させて迫力もある。姿、形の表現も素晴らしいのだが、目の表現にひきこまれる。やはり心根は目つきに現れるものなのだろう。

作家のクルィロフは1769年モスクワにて貧しい陸軍少尉の息子として生まれ、プガチェフ暴動による街の包囲により飢饉を経験。その際の空腹感は生涯に影響を与えたとされている。また幼い頃に父親を亡くし、家計は逼迫し体系的に教育を受けることはできず、仕事をしながら独学により文学に親しみ、あらゆる知識を身につけ、フランス語、イタリア語など習得し、また音楽にも精通するようになり、その才能はやがて文学活動を通し発揮されるようになったとある。

このような来歴からクルィロフが寓話、風刺という分野の作家として活躍したことや、肥満で大変な大食いであったことの背景の一端を推察することもできるかもしれないだろうが、天才にして大変な努力家であったことは間違いない。

動物などに、権力者に対する鬱憤や人間社会の不条理や滑稽さ、虚しさを託して文学として表現したクルィロフ。このSNSの時代に生きていたらどんな発信をしているだろう。(直)

詳細
https://karandashi.ocnk.net/product/378





2020年04月14日

自分が文字の読み書きを初めて教わった時のことを思い出してみた。1冊の日本昔話の本を使って、教えてもらった文字に丸印をつけていった。実際の本に何か書くことを許されたドキドキと、新しい世界がひらけてゆくようなワクワクした気持ちを覚えてている。

「自分で読むお話集」(ナタリー・バルボチェンコ)は、字を覚え始めの子どもたちが自分自身で読むために作られた1冊。読みやすいように文字が大きくひとつひとつの単語にアクセントがついている。ロシア語はアクセントがとても大事だ。今まで耳で聞いていた言葉、単語をきちんと文字で確認しながら読んでいける。

収録されているお話は「豆の上のお姫様」「赤ずきんちゃん」「勇敢な仕立て屋」「ヘンゼルとグレーテル」「おやゆび姫」「シンデレラ」など12篇。

「自分で」物語を読めるようになる喜びは人生にとっても大きなことだ。よく知っているお話をひとつひとつ自分だけで読んでゆくことができるのはどれほど楽しいだろう。またこの本はロシア語を学ぶ者にとっても役に立つはずだ。音読の練習のお供にもおすすめしたい。

さて、私が文字を習得する際に使ったあの日本昔話の本。実家にまだあるだろうか。表紙の模様など覚えているけれど。懐かしいなぁ。(直)

https://karandashi.ocnk.net/product/438
2020年04月13日

月曜日。春の嵐。ベランダのジャスミンが咲き出している。蕾が風に揺れている。

トルストイ「さんびきのくま」。よく知っているお話だからこそ画家による表現の違いを楽しめる。このお話も色々な画家の絵本があり見比べが楽しい。

ザリツマンのこの絵本は、表紙にくま家族の仲良しな様子が描かれているところが微笑ましい。お父さんぐまがいいな。優しい眼差しは正面にいるシャボン玉をしているこぐまに注がれ、でも、お母さんぐまが編み物をしている毛糸玉を膝の上に乗せてしかもちゃんと落ちないように番をしている。お母さんぐまも編み物をしながらこぐまを見ている。ほほえみながら。夫婦の信頼関係や子どもに対する愛情が伝わる。

歩く時はお父さんとお母さんは腕を組んでいるし、2人で三輪車で進むこぐまを見守っている。家族の平穏な日常の表現が具体的なのだ。それだけに、その日常をかき乱す出来事に対する驚きと困惑の表現がより際立つ。最終的にお父さんは白目をむいている(ようにみえる)。

大切な家族の日常。それを守るため以後くま家族は出かけるときには家に鍵をかけるようになったと想像する。いやそれとも落とし穴をつくったかしら。(直)

https://karandashi.ocnk.net/product/437

2020年04月11日

「麗しのナスト」はカレリア地方の民話絵本。画家はタマラ・ユファ。カレリアを表現する芸術家としてとても有名な存在。1937年生まれ。

主にフィンランドの叙事詩「カレワラ」を表現した作品で知られており、カレリア共和国の国立劇場において舞台美術にも携わり、作品はカレリア共和国国立美術館などに収蔵されている。

物憂げな瞳と髪飾りが印象的な美しい表紙にひかれる。カレリア地方の民族衣装にも注目したい。

カレリア共和国には数多の河川と湖がある。オネガ湖のキジ島は世界遺産。素晴らしいところだと聞いていてとても憧れている。(直)

https://karandashi.ocnk.net/phone/product/436
2020年04月10日

ロシア民話『カマスの命令により』(ブラートフ再話、マーヴリナ画)。ものぐさの三男坊のエミーリャは1匹のカワカマスカマスを助けた代わりに、「カマスの命令により」で始まる何でも望みがかなう呪文を教えてもらう。

水を汲んだ桶が自分で家に帰る望みから始まり、次々と呪文を唱えてのぞみをかなえてゆき騒動をおこすエミーリャ。とうとう王様が噂を聞きつけ宮殿に呼ばれるが、寝心地のよいペチカの上から離れたくないエミーリャは、ペチカごとお城に行き…。というお話。

皆から賢くないと言われているエミーリャの望みは確かにその時に楽をしたかったり、誰かを懲らしめたかったり、誰かに好きになってもらいたかったり、咄嗟に思いついた単純で短絡的なものばかり。でも最後にはお姫様も王国も手に入れてしまう。望みというものはストレートでまじりけのない方が祝福されるのかもしれない。

マーヴリナのカラフルな絵がお話の荒唐無稽さをさらに盛り上げる。ペチカが街中を蒸気機関車のように進んでいくさまなど迫力満点だ。

昔話の面白さ不思議さが詰まってる楽しい絵本だ。(直)

2020年04月09日

今日は久しぶりにオンラインでロシア語の先生とお話しすることができた。かれこれ1ヶ月余りになる。お元気そうで嬉しかった。

「有能りすさん」はチャルーシン画のおはなし絵本。何でもできるりすさんは森の仲間の頼れる存在。器用に何でも作ることができる。

例えば、りすたちの手袋、キツネの上着、うさぎのそれぞれの足用の運動靴、くまにのシャツ、小さなネズミのノースリーブワンピースなどなども手作りしてしまう。でもある時オオカミがやってりすさんは大ピンチに…というお話。

ソビエト時代の動物挿絵画家の第一人者のチャルーシンが生き生きとお話の世界を表現。森の動物たちの瞳の表情の豊かさに注目したい。動物同士の関係性が伝わってきてほっこりする。

切株の上に建つりすの家が素敵だ。(直)

https://karandashi.ocnk.net/product/434







2020年04月09日

奈良の絵本のお店ゆりゆりBooksさんの中田さんから封書が届いた。中田さんは以前からカランダーシの部屋のソビエト資料絵本の翻訳を何冊も手がけてくだっていて、新しく「勇敢なひげおじさん」(エリセーエフ画)の翻訳文と絵本を送ってくださったのだ。

表紙のくるくる巻いている黒い線はおじさんの長いひげ。なんと10メートルもあるらしい。なんてこったである。「…おかしな人間の絵を描くのが好き」という男の子が描いた絵から生まれたひげおじさん。

いただいた訳文をもとにお話をお伝えしたい。このひげおじさん、逃げ出したすずの兵隊たちを追うべく「勇者よ、起きろ。リュックを背おいたまえ」とちょっと怖がりな少年を誘い出し森へ出かける。そして困難にであうとひげおじさんのひげが谷を渡る始まる橋になり、船の帆になったり少年を助けるが、必ず少年の勇気を引き出すのを忘れない。

最後に少年は「よくやった!自分で弱虫をやっつけたな。君は本当の勇者だ!」とお墨付きをもらう。というこれは少年の成長物語。表紙だけ見るとただののん気で陽気なおじさんに見えるひげおじさんだけど、ちゃんと少年を導き叱咤し励ます素敵なおじさんなのだ。それにしてもひげがこんなにも活躍する絵本って他にもあるのだろうか。とてもユニークだ。

お忙しい中、翻訳をしてくださった中田さんには心から感謝している。元々Nさんからたくさん頂戴したソビエト時代の絵本たちはそれだけでも貴重な資料なのだけど、こうやって日本語で読めることでぐっと身近になる。大変ありがたいことだ。

そして、今カランダーシはオープンルームもずっとお休みしているけれど、またいつか皆さんに来ていただき、この絵本を楽しんだり面白がったりということができますように、と思ったわけである。そういう日が早く来ますように!

ゆりゆりBooksのすぐ目の前の佐保川は今桜が散って散ってそれはそれは大変美しい景を見せてくれているようだ。若草山も見える。これからは緑映える清々しい季節を迎えるのだろう。(直)

2020年04月07日

「お絵描き入門」。英国のエドウィン・ジョージ・ルッツ著のワークブックの露語版。100年以上も前に著されていたというのには驚く。左のページにお手本が描いてあり、それに倣って右側のページに描いてみましょう!という内容だ。

キツネやサクランボ、ティーポットやお人形、船や帽子の紳士まであらゆる物が登場。まず対象物のフォルムを捉えシンプルな図形や線でおこす。大切なのは比率とバランス。そこから段階を経て細部を仕上げてゆく。

試しに三色すみれを描いてみた。ほほう、なるほどだ。それなりにでも描ければ嬉しいものだ。馬の足の骨格なども見てると勉強になる。できれば中学生の頃に出会いたかったかもしれない。それほど素敵で楽しいワークブックだ。(直)


https://karandashi.ocnk.net/product/433
2020年04月06日

ロシアの絵本の歴史を大雑把であれど知った上で、ソビエト時代の画家の表現を見て色々思うことがある。もし、革命がなかったら、もし、違う体制だったら…この画家は一体どんな作品を残したのだろう、などということを始めとして。

「きつねさんが森を歩いたよ」はロシアの古くから伝わる生き物をテーマとした短いお楽しみ詩を集めたものにヴィタリー・スタツィンスキーが色彩画と線描画を寄せて纏められている絵本だ。

スタツィンスキーは1928年にカザフスタンに生まれた。父親は1938年にスパイ活動をしていたというかどでに捕らえられ射殺されている。41年、13歳のスタツィンスキーはドイツ軍からモスクワを守るため私的に武装したグループの一員となり捕えられ刑務所に入っている。出所後は絵を学び、子どもの雑誌で活躍するが、1970年代になると仕事をもらえなくなり、1976年にはフランスに移住して2011年に亡くなっている。

この絵本はフランスに行く直前に描かれたようで、移住後フランスで出版されている。色彩画の方は前衛的で芸術性に富み、大胆で、表現者としての意志が強く感じられる。線描画の方も、ユニークでかなり自由な描き方だ。そしてこちらは明らかにロシア民衆版画のルボークがベースにある。

面白いなあ!すごいなあ!とページをめくりながらこの魅力的な絵を残した画家の生涯についてやはり知ることは重要だと思う。
今後も注目していきたい。(直)



2020年04月04日

アンナ・デスニツカヤ画「シベリア鉄道-出発進行!」は裏表紙が素敵だ。車窓で紅茶片手に微笑えんでいるのはシベリア鉄道の女性の車掌さん。長い旅の間担当の車両の世話をしてくれる。一般的な仕事の他にもあらゆるトラブルの対処、トイレの清掃などその仕事は多岐にわたるようだ。この絵本の車掌さんはかなりベテランなのだろう。余裕を感じさせる雰囲気が伝わる。

こういう旅のちょっとした何気ない風景がとても愛おしく感じられる今日この頃。絵本の中には車掌さんが飲み物を運んでいるのが描かれているページもある。

このページを見ていると懐かしさに似たような気持ちが溢れてくる。おかしいな。シベリア鉄道なんて乗ったこともないのに(直)

https://karandashi.ocnk.net/product/398




2020年04月03日

閉鎖されたイギリス・ウェールズの街に山からヤギたちが降りてきて生垣などを食べていることが話題になっている。だったら、それにつられてオオカミたちもやってくるかもしれない。

ヴァスネツオフ画「おおかみとやぎ」はトルストイが編んだロシア民話。有名な7匹の子ヤギと大筋は同じだが、こちらでは特に子ヤギの数は決まっていない。この絵本の絵を見ると4匹だ。母親の留守にオオカミがやってきて母親のように歌うのだがガラガラ声なので子ヤギたちを騙せない。そこで声を直すのに鍛冶屋!に行くところが面白い。結局子ヤギたちは隠れていた1匹を残し食べられてしまうが、焚火が燃える森の穴に落ち、お腹が弾けて子ヤギたちが飛び出してくるというお話だ。

お母さんヤギのスカートが素敵だ。子ヤギたちはピンクの首輪をつけている。小さな木のお家はどうやら切株の上に建っていて、屋根にきのこが生えている。中にはペチカがあり、助かった子ヤギはそこに隠れていた。

私が見たウェールズのヤギたちの動画には、小さな子ヤギたちはいないようだった。時期的な関係なのかな。子ヤギたちがもし山でお留守番をしているのなら、それはそれでオオカミに注意しないと。(直)

https://karandashi.ocnk.net/product/431
2020年04月02日

1900年代の初めの頃活躍したゲオルギー・ナールブトの絵本「ロシアのお話集」。ビリービンの弟子にあたる画家で、ヨーロッパの見本市などで人気を博し「芸術世界」派の一翼を担っていたが34歳の若さで亡くなっている。

収録されているお話は「陶工」「雪娘」「つるとあおさぎ」「くま」「きのこの戦争」「木製の鷲」「御殿」「毒蜘蛛」。

「きのこの戦争」の挿絵が興味深い。自分も小さくなってきのこの世界に迷い込んでみたくなる。こんなテーマパークがあったら楽しいかもしれない。もちろん戦争は「なし」での話だが。(直)

https://karandashi.ocnk.net/product/430
2020年04月01日

新年度。冷たい雨。わが家も子どもたちの成長に伴い、変化の時を迎えている。それぞれの道を見守りたい。でも、多分というかおおいにしっかりしないといけないのは私の方だ。

「ひよこさんてくてく」(ジーマ・マシコフスカヤ/詩、ダーヴィト・ハイキン/絵)は1羽のひよこが「クートクターキ(どこどこへ)」という場所(国)を目指してひたすらに進んでいく、という詩だ。それがどんな場所なのかはわからない。

ひよこは木の棒に荷物をぶらさげてひたすらに進む。途中ですずめ、ザリガニ、熊、ほたる、亀、みつばち、ハリネズミ、赤毛ざるたちなどに出会い、ヒントをもらったり、励まされたり、そして最後に怖い野犬たちに会うのだが…。ひよこは目指した場所に果たしてたどりつけるのかお楽しみだ。

ハイキンは、1927年モスクワ生まれの画家でたくさんの絵本、挿絵の作品を残しており、人気もあり評価も高い。1日中とにかく絵を描いていたという。そのハイキンがまず大切にしていたのは見てもわかるように色。その色遣いは独特で大変インパクトがある。この絵本では青色が多用されおり、黄色のひよこの存在感を際立たせている。もちろん色だけではなく動物たちや、植物のフォルムなども個性豊かで印象深い。

ダルメシアンやダックスフントみたいな犬もいる野犬たち。怖くてギラついて素敵だ(直)
2020年04月01日

カランダーシの部屋から見えるご近所のお宅桜が満開だ。何があっても毎年変わらず咲いてくれることに慰められている。春に限らず1年を通して窓からその桜の木を見ることできるのはありがたいことと思っている。

ロシアの出版関係の方から、連帯や励まし、そして希望などが込められたメッセージメールをいただいた。世界中の関係者に発信されているようだ。素敵なことだ。未来を信じて今日を大切にしなくては、と励まされた。

画像は資料絵本の中のマルシャーク/詩、エルラモーエヴァ/画の絵本「いちねん」より3月と4月のページ。この絵本は奈良のNさんが訳してくださっている。4月。ロシアは雪が溶けて「野原では小川が走るように流れ、道路には水溜りができている」季節だ。閉じこもりがちな日々は続くけれど、ロシアの春にも思いを馳せよう。またいつか訪れる日が来ることを楽しみに(直)


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