美しいロシア絵本の世界を是非お手元でお楽しみください。
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2020年02月10日

今朝は如雨露の水が凍っていた。今日は素敵な旅の途中にUさんが訪ねてくださり嬉しいことだった。

画像は「ルボーク様式で描いてみよう」というユニークなワークブック。ルボークとはロシアで17、18世紀〜大流行し各家庭の壁に貼られ親しまれた民衆版画。テーマは宗教、民話、戦況、伝説、風刺、など多岐にわたり、細かい独特の線描を特徴とするスタイルは、後にビリービン絵本やアヴァンギャルド絵本などに影響を与え、現代でもひとつの独特の表現様式として認識されて使われてもいる。

そのルボークのスタイルを踏襲しつつアレンジを効かせて新たに絵を描き、色をつけてみようという本書。様式を学び創作に活かしてゆくことでロシア民衆芸術が今、そして未来に継承されてゆくことを願って作られている。(直)
2020年02月09日


オープンルームありがとうございました。次回は29日。よろしくお願いします。

画像は壁のラチョフ絵本とオレイニコフのカレンダー。このカレンダー、1月はネズミ、2月は牛、3月はトラ…。そう、干支が順番に描かれている。ということに先日いらしたお客様が気がついて教えてくださった。
干支で巡る1年。楽しみたい。(直)
2020年02月07日


こんにちは。
♪明日はオープンルーム。雪が散らつくかもしれないとのこと。部屋を暖かくしてお待ちしています!

♪久しぶりにR・G・Cさん発行の人気のヴァスネツオフ画「さんびきのくまお話ポストカード」「わらべ歌ポストカード」を入荷。ありがたいことに裏面に翻訳文がついているポストカードだ。

以前もおすすめしたのだが、「さんびきのくまお話ポストカード」を順番に1通ずつ誰かに送るのはいかがだろうか。子どもはきっと喜ぶ。大人だってきっと。(直)
2020年02月06日

風が強いので小さな鉢植えを避難させる。自転車が倒れ、レジ袋が宙を舞う。向かい風もつらいけれど、追い風も大変。今日はわりとたくさん歩いた。

ザホデェール作、メシコーフ画「クジラとネコ」は原題の「キートとコート」というひと文字違いの言葉がポイントとなる設定のお話。猫が海で泳いで、クジラがお部屋でくつろぐ…ありえないことが次々と繰り広げられてゆく面白さ!

この絵本は67年のものを復刻出版しているが、82年版というのがカランダーシの資料絵本としてあり、クニーシカの会の前身の勉強会で翻訳している。テキストは同じ。絵については、とてもよく似ているけれど全く同じというわけではない。最新版は現代的に迫力があるようまとめられているように思う。

クジラみたいなネコ、ネコみたいなクジラ。それぞれが絵本の中で生き生きしっかりとした存在感で表現されていることが魅力だ。(直)
2020年02月05日

今日は神保町のJ BBY(日本国際児童図書評議会)の事務局で「子どもの本の日フェスティバル」の印刷物送付のお手伝いに参加。チラシやポスターなどを組み合わせて封筒に入れたり、宛名シールを貼ったり。他の参加者の方々と楽しく作業させていただいた。

「子どもの本のフェスティバル」はアンデルセンの誕生日である4月2日をIBBY(国際児童図書評議会)が「国際子どもの本の日」と定めたことから、毎年この時期に開催されているイベント。今年のテーマは「となりの国へのとびら」。3月21日、22日、場所は大崎ゲートシティホール・アトリウム。世界中の本と出会い、もりだくさんのトークイベントやワークショップを楽しめる。

帰り道。強い風。明日はかなり寒いらしい。(直)
2020年02月04日

買おうか、買うまいか、と迷っている物があり、息子に何となく話していたら、そんな物買うくらいならこういう物を買うべきではないかと、新たな提案が。息子の理詰めのプレゼンに心が動く。しかし、最初に迷っていた物の倍のプライス!うーん。

イリヤ・カバコフ画、クリーヴィン作の「通りはどこから?」という絵本は、あらゆる事象に疑問符を投げかけ、その意味について、また認識想起のために次々と語られる文章が、ピンクの横断幕のようなスペースに書かれているというデザイン。

なぜ、冬は寒いのか?タンポポの綿毛はどこに行くのか?通りには何軒家があるのか?などなどについて語られる内容やひとつひとつの言葉は、もちろん暗示的であり、逆説的であり、一筋縄ではない。

カバコフは、街の風景や人々の表情を横断幕からのぞいているスペースに淡々と切り取って配している。一見窮屈そうに見せておいて、その閉塞感を、ところどころに出でくる文字のない見開きページでスコーンと解き放つ。

街中に張り巡らされた宙吊りにされた思索の横断幕という表現は、それこそが暗示的で面白い。街中の風の中に、喧騒の中に、動物園の檻の前に、あらゆる問いは存在しており、そこから導き出される思考の軌跡もまたひとつの道(通り)を形づくってゆくのだろう。(直)

http://karandashi.ocnk.net/product/408
2020年02月03日

今日は節分。蕗の薹が顔を出している。お天気がいいと嬉しい。

ロシア版「ピーター・ラビット全集」。320ページ。分厚い本だ。全部で20のお話が収録されている。ひとつのおはなしで一冊の掌サイズの絵本に親しんできた身からするとこういうフォーマットでいいのかなぁなんて思わないでもない。ではあるが、一冊で一気にポター作品をまとめて読めるという点ではとても豪華な内容ではある。

実はこの絵本を取り寄せてみたのは理由がある。先日ロシアから帰ってらしたIさんが見せてくれたピーター・ラビットの絵本に知らない挿絵があり興味を持ったのだ。もしかするとロシアならではの独自性があるのかもしれない、何か発見があるかと。

実際、ピーター・ラビットのお話の中に、やはり手持ちの福音館書店の絵本にはない挿絵が数点あった。ということで急ぎ足だが両方を比較してみた。結果はグロースターの仕立て屋の挿絵にある違いを見つけたが、後は同じだった…と思う。

そして、奥付を見て、これには英語版のオリジナル本があり、それをロシア語に翻訳し、表紙デザインやページの飾りなど変えたりして発行したものだということがわかった。すなわち挿絵が多かったり、というのはロシアの独自性ではなかった、ということになった。

この全集の特徴は、ポターの出版年順に作品が収録されていることだ。そこを楽しんだり、また艶のない紙の印刷の具合を福音館書店版のものと比較したり、ページデザインの意図などを想像したり、親しんできたサイズとは異なる大きさの挿絵をじっくり観察したり…。という眺め方も面白そうだ。

実際ロシアでは、ピーター・ラビットはどんな捉え方をされているのだろうか。気になるところだ。(直)
http://karandashi.ocnk.net/product/407
2020年02月01日

こんにちは。
♪オープンルームありがとうございました。
次回は8日の予定です。よろしくお願いします。

♪カランダーシの部屋のラチョフコーナー。ラチョフの多彩な絵本を並べて見ていただいている。ページを広げているのはプルガリアの民話絵本。「ハリネズミのイェーシカ・ビェーシカとおひさま」というお話。


民族衣装もブルガリアのものだ。空の色がピンク。ラチョフは背景にピンクを使うことがわりと多いと思う。。右下の「テレモーク」の表紙もそうだ。リアルな動物たちの表情を温かい色で包んでいる。(直)
2020年01月31日

明日から2月。2月最初のオープンルームです。ロシア絵本をご覧にどうぞいらしてください。

西荻に新しいパン屋さんができた。そんなこと、珍しいことでもないのかもしれないのだけど、こちらは稀に見る狭さというところが目をひく。本当に小さな小さなパン屋さん。

お店にはお客さんはひとりしか、あるいは頑張れば2人入れるか入れないかそんな感じだ。パンは2階で焼いているそう。そうか、2階があったのかと納得。奥にはお手洗いもあるとのことで勝手に安心した。

以前、そこは不動産屋さんで、机と椅子が置いてあるだけでもういっぱいいっぱいな感じだった。でもこんな風にパン屋さんができるんだ、すごい!と感心してしまった。創意と工夫とそして心意気…なのであろう。

購入したバゲットとバナナケーキはしっかりとして美味しかった。ハード系がお得意とのこと。お店の名前は「ル プチ パン イ・ウ」さん。西友西側の出入り口の近く線路沿いにある。(直)
2020年01月30日

今日はとても暖かで、日中はコートを脱いでいる人も見かけた。梅も咲いていて陽射しが眩しかった。

でもまだまだ季節は冬だ。ヴァスネツオフ画「ああ、冬や冬」は冬の詩を集めた絵本。息が白い馬、雪原を疾走する橇、凍てつく夜空、ワーレンキを履いているクマ、煙突の煙…。冬の動物たちや暮らしの様子が生き生きと描かれている。

ワーレンキとは、フエルトで作られた防寒靴。19世紀初め頃、シベリアからロシアに伝わったが最初は裕福な農民のものであった。19世紀末から20世紀初め頃には広く普及したそう(「ロシアの歳時記」東洋書店新社刊より)。アジアら来た説もある。

今でもロシアにはフエルト製の防寒靴はあって、デザインも豊富なようだ。とても温かいワーレンキ。クマのワーレンキはきっととても大きいことでしょう。(直)
2020年01月29日

先日立ち寄ったカフェの窓辺の景。春の花が生けられていて心弾んだ。目から春。まだまだ寒い日々は続くのだろうけれど。

ビリービンの生涯とその作品をヴェリジニコフがまとめたその名も「イワン・ヤコヴレヴィチ・ビリービン」。表紙は自画像。年代に沿って丁寧にその人生と表現の軌跡を追っており、本人を写した、あるいは本人が撮った写真が多く収録されていること、またエジプト時代、パリ時代、また当時のレニングラードに戻ってきた時の記録や作品も多数収録されていることで、ビリービンという人物像をしっかり捉えられる内容となっている。体裁は画集というより伝記、なのだろうけれど図版数はかなり。見応えあり。

その才能ゆえの多岐にわたる仕事ぶりはつとに有名であり多くは紹介されていると思うのだが、パリ時代の宗教画の仕事や民話絵本以前の作品、直筆の書簡、風景画や舞台美術などに初めて見るものも多く興味深い内容だ。

写真で見るビリービンは姿勢もよくいつも身綺麗。端正で優雅な印象は最後まで崩れることはない。もちろん年代による差異はあるものの緻密で、写実性に富んだ芸術的なその表現スタイルも変わらない。大きな時代の変化の荒波が押し寄せてきてもビリービンはやはりビリービンであった。ということがよくわかる。(直)

http://karandashi.ocnk.net/product/405





2020年01月28日

今日は今年初めてのクニーシカの会。足元が悪く、電車のダイヤも乱れている中、皆さんお集まりいただいて無事開催できありがたいことだった。

コズリナ先生によるご指導は、テキストが書かれた時代背景はもとより文学的な潮流にそくした言葉の意味が持つ多重性、あるいは文章構成の分析、微妙なニュアンスまで惜しみなく教えていただけるのでとてもとても勉強になる。

ティータイムには、Kさんからのウラジオストク土産のお菓子、ヌガーが美味しいプリリャーシチョコやミルクが効いてるキースキースキャラメル、ちょっぴりビターなキャビアチョコなどいただきながら、あれやこれやのロシア談義。画像①は包み紙があまりにも可愛いキースキースキャラメル。ロシアで猫を呼ぶ時はキースキースと言うそう。知らなかった。いつか試したてみたいものだ。

画像②は、今日Mさんからカランダーシに資料として頂戴したソビエト時代の絵本たち。そしてやはりウラジオストクのお土産でいただいたアブレピーハの実のハンドクリームとチェリー蜂蜜と共に。感謝!
2020年01月27日

雪の予報が出ている。どうなるのかな。心配だ。

さて、「魅惑のバレエ物語」には以下の12のお話が収録されている。

シルフィーダ、ジゼル、コッペリア、ラ・バヤデール、人形の精、白鳥の湖、眠れる森の美女、くるみ割り人形、ライモンダ、火の鳥、ペトルーシカ、シンデレラ。

それぞれ異なるアーティストによる挿絵が美しく物語の世界にひきこむ。バレエ鑑賞の助けとなるように作られた本書。バレエの国でもあるロシアらしい一冊だ。巻末には解説もついている。

バレエの美しい世界を動画で見る。軽やかに踊るダンサーたちを見ながら、私はもちろん踊るわけではないけれど、お正月以来、旺盛な食欲に歯止めがきかない自らを省みなければならないなぁと思っているところ。(直)

2020年01月25日

こんにちは。
♪オープンルームありがとうございました。2月の予定は1、8、29の予定です。よろしくお願いします!
♪今日はホットケーキの日らしい。ということで「セリョージャとあそぼう!」に登場するセリョージャが大好きなロシアのパンケーキ、オラードゥシキをご紹介。材料は卵、砂糖、牛乳、ヨーグルト、油、薄力粉、ベーキングパウダー、塩。混ぜて焼くだけ。簡単にできて栄養価も高いのでもちろん朝食におすすめだけど、おやつにも。しっかりとした生地なのでお腹もちがいい。ジャムやハチミツを合わせたりも美味しい。あー、食べたくなってきた。久しぶりに作ろうかな。皆さんも、ぜひ!(直)
2020年01月24日

明日はオープンルーム。暖かいお部屋でロシア絵本をどうごゆっくりご覧ください。お待ちしています!

さて、港区白金台にある国立科学博物館の自然教育園で2月8日から4月19日まで企画展「きのこ展 あの物語のきのこたち」が開催される。

今展は2017年秋に同博物館の筑波実験植物園で大変好評だった展覧会。あのきのこはなにもの?…というアプローチで、あらゆる絵本や漫画、物語に登場するきのこたちを科学的な眼差しで深く掘り下げるとてもユニークな企画展。

カランダーシ刊マーヴリナ画「わいわいきのこのおいわいかい きのこ解説つき」もパネル展示などされる予定だ。この絵本を作る時、きのこ監修をお願いした国立科学博物館の保坂博士によるロシアのきのこたちの科学的な特定検証の過程こそひとつのわくわくする物語であったと思う。そんなわくわく感も含め、きのこ登場作品の多様性に触れ、きのこの奥深い世界に驚き、きのこの魅力を確認し、きっとさらに身近に感じる…そんな展示会になるはずだ。

自然教育園は、貴重な自然緑地園。本来の自然の姿を観察し楽しめる都会の中に存在するとは思えないような場所。私も随分久しぶりに訪れるのを楽しみにしている。ちょうど春に向かう頃。園内のお散歩を楽しみに是非お出かけください!(直)

国立科学博物館附属自然教育園
http://www.ins.kahaku.go.jp/


2020年01月23日

今カランダーシの部屋のラチョフコーナーでは、資料絵本を並べて展示中。その中の一冊をご紹介。

ミハイル・プリーシヴィン作ロシアの森についての著述を集めた「白樺皮の筒」。ラチョフの自然描写がたっぷりと楽しめる。注目すべきは、ラチョフがいつも描いている衣服を着せた民話スタイルの絵ではないありのまま動物たちの姿だ。

動物のありのままの姿といえば、チャルーシンが有名だが双方の絵を比べて見るのも面白いと思う。また、特徴をとらえて描写されている植物の描き方にも注目したい。白樺の若木の描写が印象に残る。ひょろっと弱々しくもあるが未来へ向かうたくましさを秘めていて、森の景のアクセントになっている。

画像の左の書籍は「プリーシヴィンの森の手帖」(太田正一編訳、成文社)。森を知り、感じ、そして思うために。(直)



2020年01月22日

ご近所に善福寺川という川が流れており、鯉が泳ぎカルガモなど水鳥も生息している。ゴイサギやカワウ、コサギなどが、川べりからじっと川岸を見つめている姿を見かけることも多い。

先日、川沿いの道を上流の方へ歩いていると、ある川べりポイントに、コサギとカワウが2羽一緒にいるのを見かけた。カモは複数で一緒にいることも多いが、コサギもカワウも単独でいるところしか私は多分見たことがないし、珍しいなと思った。

一体どういう関係性なのだろうか。カワウがコサギに何かアプローチしているようにも見えるのだが、そんな事はあるのだろうか、鳥同士とはいえ異種なのに、とちょっと不思議に思った。

ここで思い出すのは、ノルシュテイン原案の「アオサギとツル」(ヤールブソヴァ画、こじまひろこ訳、未知谷刊)だ。元々はアニメーションの方が先に製作されている作品で、あるお屋敷の廃墟を舞台に、アオサギとツルが行ったり来たり、恋のすれ違いを延々と続けるお話だ。でも、カワウとコサギ間に恋は成立しないだろうし、本当になんで一緒にいるのだろう…。

なんて思っていたのだけど、調べてみたら、なんとコサギとカワウは自然界で一緒に魚の追い込み漁をしたりする仲でもあることがわかった。「コサギとウ」で検索してみたらそういう記事や動画もある。コサギとカワウ、複数同士で役割分担をし、助け合って魚を獲るのだ。知らなかった。驚いた。

善福寺川のたった2羽にそれが当てはまるのかどうか、それは難しいところだとは思うけれど、異種でも親しみ感じ合える間柄なのかもしれない。

一方「アオサギとツル」が自然界ではどうなのかというと、この絵本はロシア民話がベースなのだが、同じ水辺にいても、敵ではないが親しくはならない、でもちょっと近づいたりはあるのかもしれない…そんな仲なのだろうか。(直)
2020年01月21日

ねずみとねこの絵本。「ねずみとねこの戦い」(ゲンナージ・ヤシンスキー画、ザボラツキイ文)。ねこが邪魔なねずみたち。まずは先制攻撃を仕掛ける。まんまとねこを仕留めるのだが…というお話。

トムとジェリーのように一対一で追いかけ合うのではなく、ねずみが集団でちゃんと軍備を整え、猫に戦い(戦争)をしかける、というパターンはカランダーシの資料の20世紀初頭の他の絵本でも見られ、最初はねずみが意気盛んに優勢だが、というところも同じだ。

また、仰向けにねこが縛られている様子は、17世紀辺りには広く農民に出回っていたロシアの民衆版画ルボークの「猫の葬列」の絵柄を彷彿とさせる。

「猫の葬列」では、猫が皇帝(ツァーリ)であるといわれており、前述の古いお話も猫は権力者として表現されている。対するねずみは民衆であり数が多い。

このような現代の絵本(テキストは初出1980年)の中に、ロシアならではの文化が息づいているのでは?と(勝手に!)思いながら眺めたりすることは楽しいことだ。

さて、このねこ対ねずみ、勝敗はいかに?(直)



2020年01月20日

今年も始まってもう20日を過ぎた。早い早い。色々な事がすでに起こり、あっという間過去のものとなっている。本当に年月というものは情け容赦ない、とも思うのだが、ずっと後から人生のご褒美のように過ぎ去った時間の積み重ねを紐解いてもう一度眺めてみる時が来ることもあるわけで、前に進んでゆくことで間違いはない。

先日、沼辺信一さんがカランダーシの部屋にいらした。ちょっとした経緯があり、ご挨拶を申し出た。もちろんうかがうつもりでいたのだが、以前西荻に住んでらして寄りたい場所もおありということで訪ねてきてくださることになったのだ。

沼辺さんは、ロシア絵本文脈からすれば、あの伝説の2004年「幻のロシア絵本 1920-30年代展」の立役者!であり、カランダーシ的にいえば、編集総括をされているその展覧会の図録と復刻絵本(共に淡交社)のお取り扱いをさせていただいているということ、また、この図録と展覧会を受けて企画されたという「芸術新潮 2004年7月号」が私のアヴァンギャルド絵本学習の教科書的存在でもあるので、何というかお世話になっている感が半端ない。嬉しさと期待ともちろん緊張、綯交ぜ状態でその日を迎えたわけである。

そして、当日。沼辺さんは、私の事を聞き手として頼りないと思われたに相違ないのだが、ご自身の来歴を踏まえつつ、前述の展覧会開催について、絵本蒐集の実際、コレクションのあり方、ガンギーナ、シュニトケ、マレーヴィチ、プロコフィエフ、フルジャノフスキー…そして私がお聞きしたかった無名時代の大滝詠一やユーミンのお話までまで丁寧にそして熱量を持って教えてくださったのである。

前述の図録の沼辺さんの紹介には(20世紀芸術史)とあるようにその知見はロシア絵本のみに留まるはずもなく、話題は脈絡を担保しつつも広がり、繋がり、深まっていく。すなわち、とんでもなく貴重な時間を過ごさせていただいたわけである。宿題もある。新春早々に何とありがたいことか。

私が最初に沼辺さんのお名前を知ったのは昔のある講演会のお話の中でのこと。当時の講演会のメモに私はお名前を記している。

沼辺さんが帰られた後、その講演会から現在までの自らの来し方をそれこそちょっと紐解いてみたりした。
そして、また前に進んでいこうと思ったわけである。感謝。

3月7日の講演会「光吉文庫のロシア絵本について-コレクションの稀少性と歴史的意義」
https://www.shirayuri.ac.jp/childctr/usftro0000000b3c-att/a1575248056421.pdf
も楽しみにしている。(直)




2020年01月18日

オープンルームありがとうございました。
また来週お待ちしております!

その名も「雪」というマーヴリナの絵本(文/コヴァーリ)。森に積もる雪の多彩な表情を楽しみたい。一方どのページでも力強い存在感が際立ち、決して雪に負けてはいない樹木たちにも注目だ。

画像は「お日様と雪」というタイトル。燻んだ空の雲間から顔を出すお日様の明るい色に下の家の壁色が呼応して温度を感じさせ、春に向かう兆しが伝わる。マーヴリナの真骨頂である筆の軌跡から迸るリズムとスピード。直線と曲線。掠れと滲み。いいなあ。いつまでも見飽きることはない。

雪ばかりの絵本。この季節におすすめしたい(直)


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