2024年02月24日
急に暖かくなったかと思うと一気に気温が急降下して冷たい雨が降り出して…寒暖差に振り回された1週間でした。
雪の下には黒い土、そしてその下には若芽が萌え始めている様子を表した神保町ささまさんの「下萌え」というお菓子を春待つ気持ちでいただきました。
今週木曜日はクニーシカの会がありました。コズリナ先生のご指導のもと、今回から新しいテキスト『Cказки про мам(ママのお話)』に入りました。作者はセルゲイ・セドフです。
初回なので先生から作者についてのお話がありました。セドフは1954年モスクワ生まれの現在69歳。教師になるものの半年で辞め、モデルや用務員などを経て児童文学作家になり、少年リョーシャの物語で大人気になります。独自の作家活動の他に海外の児童文学の語り直しなどでも活躍していてロシアではとてもとても有名な作家です。
また挿絵のタチヤーナ・カルミェールは1970年生まれです。コズリナ先生によればロシアで一番の芸術大学である国立モスクワ印刷芸術大学を卒業し、美術編集者やアートディレクターを経て、1991年以降しばらく停滞していたロシアの児童書を立て直したいとの意志のもと出版社「サマカート」を設立します。また本人もアーティストとして活躍してゆきます。
「サマカート」は様々な素晴らしい絵本を出版している今ロシアで最も注目すべき出版社の一つです。最近では『ある古い家の物語』のアンナ・ディスニツカヤなどの活躍も記憶に新しいところです。
先生の説明で印象的だったのは、カルミェールがブックアートを建築的に捉えているという言葉と本の内容理解におけるデザインやイラスト表現の重要性についてです。彼女はその本の内容によって最も適したスタイルで挿絵を表現しており、いくつかのサンプルをみましたが、まるで別の画家が描いたような表現の違いに驚かされました。
作家を知るとやはりその作品への興味は増します。今回のテキストは私たちと同時代に生きる作家の作品ということも楽しみなのと、やはり挿絵も新しさがあり素敵です。内容と挿絵の呼応関係にも注目していきたいです。
たくさんのお母さんの短いお話が収録されているのですが、第1話はいきなりお母さんが宇宙人という内容でクスッと笑える面白いお話でしたし、2話は人喰いのお母さんのお話です。一体これからどんなお母さんが登場するのかワクワクしています。
クニーシカの会では随時参加者を募集しています。ロシア語初級修了くらいでロシアの絵本、児童文学に興味のある方はぜひご一緒しましょう!ご連絡はこちらへ。
https://karandashi.ocnk.net/contact
新しい絵本を紹介しています。よろしくお願いいたします。(直)