美しいロシア絵本の世界を是非お手元でお楽しみください。
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2019年11月10日

夕方まで上野にいて、それからダッシュで経堂へ向かい、東京ロシア語学院の70周年祝賀会に参加させていただいた。

学院関係者のこれまでの歴史を踏まえたご挨拶、大使館や関係各方面の方々の祝辞の後、華やかに乾杯。和やかな歓談の時の後の締めくくりは皆で「モスクワ郊外の夕べ」「カチューシャ」をロシア語で大合唱!私もロシア語学院万歳という気持ちを込めて歌わせていただいた。

戦後、元々は有志の方々のロシア語講習会が始まりであったというロシア語学院。それからずっとロシア語学習の歩みをを続けられている。その歴史はすなわち学院を支えていらした方々の情熱と信念の積み重ねの日々であったということがいただいた冊子「学院ロシア語教育の歩み」からも伝わってくる。

会場では、先生方や卒業生の方々とご挨拶させていただき、ロシア語の勉強についてもアドヴァイスをいただいたりもしてありがたいことだった。

今後の益々のご発展をお祈りしたい。(直)

2019年11月08日

明日のオープンルームはお休み。次回は11月16日です。よろしくお願いします。

型押しの雄鶏の立派な姿が印象的なタチヤーナ・マーヴリナ挿し絵のこの1冊はアファナーシェフが集めたロシア民話の中から67話も収録されている分厚い本だ。

マーヴリナは、ロシアの古くからの民族的な文化をとても大切に考えており、よく研究もして多数の民話の挿絵に取り組んでおり、独特の鮮やかな色選び、大胆な筆使いと柔軟な表現で、本当にお話が生き生きと新しく生命を得て輝いて伝わってくる。マーヴリナは国際アンデルセン賞受賞画家である。

この本の挿絵はカラーで描かれているが、各お話のタイトルは黒のペンの手描きであり、それにちょっとした小さな線描きの絵がお話の最初と最後に添えられている。それがユーモアもあって素敵で楽しい。

表紙の雄鶏は、「雄鶏と石臼」というお話の挿絵でもある。ロシアの民話にはよく雄鶏が出てくる。バーバヤガーの小屋も鶏の足の上に建っている。足にケヅメという突起があるのが雄の特徴らしい。
夜の闇(死の世界)が終わる時を告げる声を持つ鳥として特別な存在であるということも聞いている。(直)

http://karandashi.ocnk.net/product/386





2019年11月07日

吉祥寺の駅前。いつものバス停の前に今年はサンタさんのお家が建っている。扉を開けてサンタさんが出てくるということをやるのかしら。ちょっと中をのぞいてみたい。象のはなこさんの銅像の首のあたりには寒くないようにマフラーのようなものが巻かれている。花火の広場もすっかりクリスマス仕様だし、今年もだんだん年末が近づいているなあ。まだまだ実感はわかないけれど。

画像のオレイニコフの絵本は、おばあさんの知恵袋さんでも展示していた2冊。「私たちは船に乗って」はパパとママと私で世界を時代を旅してゆく絵本。いつだってママは右でパパは左。そしてわたしは真ん中。川や運河や海、そして宇宙を描く多彩な表現に注目したい。

「ゆりかごの本(子守唄の本)」はウサチョーフの詩。ちょっと不思議な子守唄の世界。オレイニコフはゆったりと静かにそしてユーモアも織り交ぜながら眠い眠いワールドを表現。目をつぶった子どもや動物たちの表情に心安らぐ。(直)
http://karandashi.ocnk.net/product/385
http://karandashi.ocnk.net/product/384
2019年11月06日

発送で郵便局やポストに行った帰りにコンビニで時々自分用のおやつを買うことがある。今日は結構悩んでしまった。ささやかなおやつなんですけどね。

オレイニコフの絵本を3冊アップ。「ロビンフッド」。イヴァノフスキーの露訳詩は1959年間に出版され大人気になっている。オレイニコフは先日の来日講演で話していたようにリアルに人間や状況を表現しながら遠い昔の伝説を色付きで蘇らせている。顔の傷、爪のヒビ…。しかし、独特のすっきりしたフォルム、抑えた色調、幻想性や疾走感のある表現などで、伝わるのは生々しさではなく物語の奥行きだ。

「アメリカを見いだしたのは誰?」はノーベル文学賞受賞作家のヨシフ・ブロツキーの詩を颯爽とそして寓意や皮肉、ユーモアたっぷりに大胆に表現。シェークスピアやニュートン、ベートーベンなど歴史上の偉人たちが次々と登場する中に、ターミネーターのあの方も。

「北欧の神話」はヤフーニン再話。こちらは絵本ではなく分厚い児童書、読み物書籍。オレイニコフは神秘的な世界をダイナミックでありながら細部にまで拘って説得力のある挿絵で構築。見応え充分。表紙が印象的。

http://karandashi.ocnk.net/product/381
http://karandashi.ocnk.net/product/382
http://karandashi.ocnk.net/product/383
2019年11月05日

夕方。犬の散歩とすれ違う。今日は時々見かけるエアデールテリアと優雅に歩くボルゾイ!を見かけた。ボルゾイは初めて見る顔だ。また会えたらいいな。

ご近所の互助会の事務所の前に置いてある無料配布の来年の占い冊子が来年のものになっていたので一冊いただいて帰る。来年は肝臓に注意らしい。そうなのか。気をつけよう。

その互助会の占いの冊子を持ち帰るのは毎年恒例のことで、秋も深まるとそろそろかな、なんて思いながら前を通る。今年ももうそんな季節になった。

オレイニコフの「ジェト・マロース誕生のお話」。ロシアの冬帝でありサンタクロース的存在であるジェト・マロースの絵本。不思議で幻想的。だけど親しみやすさもあって温もり感じる内容。見開きのツリーのページが美しい。クリスマスの贈り物にも。(直)
http://karandashi.ocnk.net/product/380
2019年11月04日

秋晴れの休日の午後。ちょっと外の空気を吸いにご近所散歩へ。今日は北向きコース。みずのそらさんは徒歩3分くらいにある一軒家アートギャラリー。現在、石月愛梨氏のスズランテープを使った個展開催中だ。

スズランテープをカットして重ねて貼り付けてゆくアート。鱗のような羽根のような半透明で光沢のあるテープの重なりが独特の風合を醸していて面白い。またテープをひねって捻ったものの集合体のアートは色合いの妙が楽しい。どちらも素材の軽やかさが効いていて明るいエネルギーを放っており美しく素敵だ。直接石月氏から制作のご苦労などお聞きして、スズランテープのアートとしての可能性に思いを馳せる。

こちらのギャラリーは連休中開催の西荻チャサンポーの参加ポイントでもあり、次々とお客さんがいらしていた。わたし達は併設のカフェでひと息。

それから、Second Story Coffee Rosterさんでコーヒーを買って、女子大通りのBenchtime booksさんをのぞいて帰途に。

新しい家が建っていたり、コワーキングスペースができていたり、いつもは自転車で通り過ぎていたので気付かずにいた発見もあり、短い時間だったけれどよき西荻散歩だった。(直)

2019年11月03日

暑くなく寒くなく。1年中こんな感じだったらよいのにと勝手ながら思ってしまう。でも、紫蘭の葉がいつの間にか枯れているし、どんどん季節は進んでるようだ。

三鷹のストーンウエルアートギャラリーに現代ロシア写実主義絵画展を見に行ってきた。こちらは、ストーンウエル=石井氏が自らの主に風景画のコレクションを展示するために建てた個人立の美術館で、今年6月にオープンしたばかりだ。最近行かれたというMさんや何人かの方に教えていただいており、今回初訪問。

モダンでスッキリしたデザインの建物。芝生のアプローチに植栽は白樺。入口はガラスサッシで中の様子が見え期待が高まる。中に入ると入口の正面広い掃き出し窓から白い玉石を敷き詰めた日本庭園が見える。内観は白い内装に大理石用の床。壁にぐるりと初夏から晩秋までの季節に沿った風景画や静物側など30点程が掛けられている。

さあ、見るぞ!と進もうとするも、まず、入口脇の壁に掛けられている4点の作品にしばらく足を留めてしまうことになる。なんと、「芸術世界」のアレクサンドル・ベヌアやドブシンスキーの演劇衣装のエスキースの原画が展示されているのである!ご縁があって石井さんの元にやって来たそうでこれにはかなりびっくり!

館長で写実主義絵画研究家である石井徳男氏が丁寧に説明してくださるので、そこから始まる写実主義の絵の鑑賞はとても親近感を持てて楽しいものだった。人物よりも風景描写が多く描かれてきたロシア写実主義絵画であるが、こちらのコレクションは1989年から4年間に蒐集された時代の空気を反映したイデオロギー色のあまりないものが主軸とのこと。季節柄もあるだろうがどの作品からも大らかな自然と豊かな詩情が伝わってくる。

個人的に風景画はとても好きなのでどの作品も楽しむことができたのだが、特に微妙な色合いに晩夏の切なさも感じさせるアヴァキミャーンの「8月の終わり」は大変印象深く心に残っている。石井氏と親交があるというネシシームヌイの「昆布漁師」は人物を配した構図と動きが面白く、また水面の描写の明暗のコントラストが際立つ日本滞在中に訪れたという石廊崎の景も目を引いた。まとめて展示してされていた薔薇の静物画や女性像もアクセントのように記憶に残っている。

解説を聞きながら、本物のロシア絵画を本当に間近に見る事ができるのは贅沢なことだ。距離感的には少々乱暴な対比かもしれないが、大きな美術館がコンサートホールなら、こちらはライブハウスのような場所かもしれない。

とにもかくにも私邸を美術館として建て直し 、そのコレクションを公開してくださっているその心意気と志にスパシーバ!なのである。

◆行き方:吉祥寺公園口から小田急バスで15分、「新川」で下車5分。駐車場有。
◆住所:三鷹市新川6-3-19 (セブンイレブンのそば)
◆開館:水、土、日の10:30~17:00
◆入場料:800円(学生600円)

http://ishii-gallery.com
2019年11月02日

オープンルームありがとうございました。
来週はお休み。次回は16日。
よろしくお願いします!

画像はブラートフ&ブァシリーエフの「世界動物物語集」。動物たちの色とりどりの衣装を見るのも楽しい賑やかな絵本。http://karandashi.ocnk.net/product/341
2019年11月01日

明日はオープンルーム。

11月。山茶花の花芽もいつのまにか膨らんできている。
秋の午後、ゆっくりとロシア絵本を是非ご覧にいらしてください。

西荻ではチャサンポーというイベントも開催しているようですよ。
2019年11月01日

先週、動物病院の前を通ったら2匹の兄弟猫が保護されていて、ケージの中で遊んでいる姿をガラス扉越しに見ることができた。

1匹はキジトラ猫でもう1匹は白黒猫。まだ生後1カ月と里親募集のポスターに書いてあった。これから冬なのにこんなに小さくて大丈夫なのかしら、とちょっと心配になったけれど、2匹はとても元気にじゃれあって遊んでいた。

今週同じ場所を通ったら、どこかに行き先が決まったらしく、ケージもポスターもなくなっていた。2匹は一緒にもらわれたのかな、そうだといいな。

画像はクリスマスと子猫のお話絵本。「クリスマスツリー、猫とそして新年と」だ。サンクトペテルブルクで活躍している画家マリヤ・パヴロヴァが描くリアルで愛おしい猫たちの物語。光の表現が美しい。カレンダーも入荷。贈り物にも。(直)
2019年10月30日

Mさんからいただいたソビエト時代の絵本に何冊かパタパタと広げて読むタイプのジャバラ絵本がある。1967年刊のものだ。

ページ分の厚紙をそれぞれ少し間隔をあけて並べて絵本の内容が描かれた紙を貼り付けて、ウラ面にも同じように絵本の紙を貼り付けて作ってある。

ソビエト時代の絵本は薄い紙のホッチキスどめが一般的だと思うのだが、こういう絵本もあったようだ。

手前左のちいさなサイズはNさんからいただいたものなのだが、こちらもジャバラ絵本だ。いずれも艶のない表面がケバだつような質感の紙を使っていて、本自体は固い作りなのだが、手触りは優しい。

見開きごとにひとつの世界観がある普通の絵本と異なり、パノラマのように内容を見渡せたり、また裏面に続いていったり、パタパタと広げたり閉じたりという面白さがある。そして今でもロシアではこのジャバラ方式絵本は見かける。

繰り返して読んだのだろう。さすがにページの外側の連結部分は傷みも見えるが中身は概ねきれいで厚紙部分はびくともしていない。しっかり作られ、丈夫で長持ちということになる。価格はホッチキスどめに比べると少し安いようだ。

ジャバラ絵本、屏風のように立てられるのも魅力だ。(直)

2019年10月29日

クニーシカの会は嬉しいことに人数が増えたので机を増やし連結してみた。そうしたら、部屋中机って感じになって笑ってしまったけれど、やはりノートを広げたり、辞書を広げたり1人分のスペースはちゃんとあった方がいいので、これはこれで良いこととしよう。

今日もコズリナ先生からなるほど!のご指導を受けながらお話を読み進めていった。昔の農民たちが会話の中でぽっと難しい政治的用語を使うケースがあることについてや、ロシアのカラス事情などなど、辞書をひくだけではわからないことを色々教えていただいた。

今日のお茶は先日Sさんからいただいたリトアニアのハーブティ。そのSさんからお借りしているバルト三国の絵本やMさんからいただいたソビエト絵本もテーブルの真ん中に置いて皆さんに見ていただいたり。

外は冷たい雨だったが、皆さんとロシア絵本に向き合う温かいひとときを持つことができ、感謝!(直)
2019年10月28日

「ビーツ、私のふだん料理」(荻野恭子/地球丸)は、先日お会いしたAさんにすすめられて購入した。

私は、ロシア人やロシアに詳しそうな人と知り合うと、大抵ボルシチの作り方を聞いてきた。材料はさして変わらないが、作り方は様々。肉の扱い、そしてビーツの扱いも色々だ。切り方もそうだし、そのまま使う、茹でてから使う、そして酢漬けを使う等など。結局ベストレシピは自分でみつけていくしかないかな、という結論にいたっている。

このビーツの本のボルシチのレシピは酢漬けビーツを使っている。他でも聞いていたがこの作り方はまだ試したことはない。ビーツの色落ちを防ぐには酢漬けを使うのがいいかもしれない。今度やってみようと思っている。そう、ビーツは色落ちする。この本には記述はなかったが、ベタレインという色素の特性のせいだ。

ビーツのルーツが北アフリカにあること、世界中で食べられており、日本には江戸時代には入ってきたことなどのビーツ豆知識や、著者による世界中のビーツ料理の多数の写真、もちろんお馴染みの料理から珍しい料理まで、レシピも色々収録。作り方はシンプルなものが多いようなので、チャレンジしようかな、というものもいくつか。

そして、ビーツをジャムやアイスにしたり、カレーに入れたり、白和えにしたり、きんぴらにしたり!とビーツの世界が広がる広がる。びっくり、面白い。おしえてくださったAさんに感謝だ。

蛇足だけれど、書名の中のふだん料理という言葉は、ビーツがフダンソウの親戚だからそれにかけたのかなぁ。まさかね。(直)




2019年10月27日

午後から夫と神保町 ブックフェスティバルへ。

古書の出店が並ぶ通り、出版社の出店が並ぶ通り。とにかくかなりの人出だ。ちょいちょい食べ物の出店もあり、美味しそうな匂いもしている。そして、そのごっがえす人出の中で知り合いにばったり会ってしまう楽しさよ。

結局、アート、デザイン関連の本と、そして読まなきゃと思っていた民族誌の本と、アヴァンギャルド柄のマグカップなどを購入。他の知り合いの出店にご挨拶に行ったり、東京堂さんをのぞいたり、突然始まるバンドによる神保町の歌!に手拍子したり…短い時間ではあったけれど、お祭りの活気を味わわせていただいた。

さて、パンフレットを見ると、このフェスティバルのキャラクター、じんぼんというのが描かれているのだが、一体どんな設定でどんな活動をしているのだろうか。今のところ謎である。(直)




2019年10月26日

昨日の雨の被害が甚大だ。先週の台風の後にまたこんなに降るとは。もう11月なのに。

昨日の ゲンロンカフェで開催された「ユートピアを記録する/記憶する コンセプチュアリズムとペーパーアーキテクチャから見るロシア芸術」(上田洋子×鴻野わか菜 ×本田晃子)は情報量も多くとても興味深い内容だった。

本田氏による主にアレクサンドル・ブロツキー&イリヤ・ウトキンのソ連時代の紙上のアンビルト建築計画・ペーパーアーキテクチャの作品を中心とした紹介と解説。それぞれの意図とメッセージは両義性も含めて幾重にも複合的にとることができ、シニカルで寓意的で刺激的でそしてユニークで、どの図版も前のめりで見てしまった。失われた住まいの博物館という建物の納骨堂、過去から現在までの建造物が入れ子状態で重なり海を漂うノアの方舟という作品、近づくとただのガラスの板の重なりというクリスタルパレス、またブロツキーによる廃墟の建築などなど…。

鴻野氏は、「人は存在しないもの、実現不可能に思われるものを夢見る生き物であり人類全体の特性であると同時にロシア文化の特性のひとつ」という脈絡でソ連、ロシア芸術を振り返ったのだが、中でもイリヤ・カバコフについて詳細に語ってくださり密かに興奮。私は絵本からカバコフを知った稀有な立場なので、カバコフの絵本挿絵に対する冷めた?姿勢には少々複雑な思いがある。が、芸術家としての活動にはとても魅力を感じるし、さらによく知りたい思いでいる。

詩についての「さきに世を去った詩人たちの言葉を記録し、永遠のものにするという使命感を多くのロシアの詩人たちが抱いている」という言葉が心に残る。(これを聞き、詩人ではないけれど、詩の言葉の記録(記憶)という意味で私のロシア語の先生のことを思った。まさに古い時代の詩の言葉が魂と共にある方なのだ。ロシアの詩の文化は本当にすごい)

絵本という点では、カバコフの「プロジェクト宮殿」という作品の中の架空の人物の1人、ベットに横たわり昔親しんだ絵本の挿絵を眺める青年のことが気にかかっている。色々と質問したかったのだけど、とりあえず宿題として持ち帰ることに。

上田氏による進行や共感や補足や質問など含めてお三方のやり取りは雰囲気もよく聞きやすくよかった。もう少し対話的なところで深まるお話お聞きしたかったというところもあったけれど。
ご紹介いただいた主な作品や作家たちやお話を通していただいた今回のテーマにおけるメッセージは、まずとにかく失われた人、時間を忘却せずに記憶にとどめ続けてゆくこと、その視点は本田氏の言葉を借りると「大きな主語」ではなくごく身近なものであり、そして、失くしたもの(人)があまりにも多い歴史の中で、鴻野氏の言葉「夢見る力」により芸術が生まれてきた道のりが現在のアートにも引き継がれ、そしてそこには宇宙という思想があり…ということなのかなぁなどと思っている。無理やりまとめなくてもいいんだけどね。

そしてチシコフの「芸術とはものではなく思想である」という言葉をぼんやり胸に抱き、酔っ払いの方々で一杯の週末の山手線に乗って昨晩は帰宅したのであった。
学ぶこと多しのよきイベントだった。感謝!(直)
2019年10月26日

明日はオープンルームはお休み。11月の予定は2、16、23です。よろしくお願いします。

五反田ゲンロンカフェで開催された「ユートピアを記録する/記憶する ーコンセプチュアリズムとペーパーアーキテクチャから見るロシア芸術」(鴻野わか菜 ×本田晃子×上田洋子)に行ってきた。7時スタートで終わったのが11時過ぎ!でもあっという間。図版もたくさんで内容濃くとても面白い内容だった。明日に続く。(直)
2019年10月25日

ビリービンは1942年にレニングラードで亡くなっている。昨日こちらで紹介した岩波新書の「独ソ戦」の中にもドイツ軍によるレニングラード包囲戦のことが詳しく書かれているのだが、読みながらビリービンのことを思った。飢えに苦しみ、敵が攻めてくる恐怖にさらされながらも、ビリービンは最後まで誇り高く、祖国を愛し守る騎士のようなプライドを持っていたという。

先日のイーゴリ・オレイニコフの講演会では、ビリービンのような美しい挿絵ではない、リアルを描きたい、というようなお話があった。そういう表現を目指すこと、それはそれで面白いなぁと思ったのと同時に、このお話から、オレイニコフのようなロシアの現代の第一線で活躍する画家にも引き合いに出されるほどビリービンの存在はやはり大きいんだ、偉大なんだとということをあらためて教えてもらえたわけでもある。すごいな、ビリービン!である。

画像はコンパクトなサイズで手軽にビリービンの ロシア民話の挿絵が楽しめる一冊。蛙の王女とマリヤ・モレーブナ収録。

2019年10月23日

「独ソ戦 絶滅戦争の惨禍」(大木毅著/岩浪新書)を読んだ。この本、新書の売上ランキングで上位をキープ、7万部も売れているらしい。

少し前、ある出版社の人とロシア関連の本について話をしていて、ロシアって関心持っている人はそんなにたくさんはいないよね、などというちょっとさびしい流れになったのだけど、いやいや今ソ連関連で滅茶苦茶売れてる本がありますよ、と教えてもらったのがこの新書だ。帯文は「戦場ではない地獄だ」である。

戦争の実像とは過酷なものであるが、この戦いのここまでの凄惨さについて具体的に知るのは初めて。人類史上最悪といわれる所以を突きつけられる。

まずは、ソ連は大戦全体的で軍、民合わせて2700万人の死者、ドイツは600万〜800万人以上の死者を出したというとんでもない数字を直視しなければならない。

独ソ戦争の経緯は、政治や経済の側面、具体的な数字や例、微妙な心理的分析など盛り込み読みやすくまとめられていて、またヒトラーにおける絶滅戦争、そしてまたスターリンにおける大祖国戦争という根底的な思想、イデオロギーついてもわかりやすく書かれている。

帯の推薦文に「…人類史上最悪の戦争に正面から向き合うことが21世紀の平和を築く礎となるだろう」とある。
本当にそうであってほしいと思わざるをえない。(直)

2019年10月23日

昨日の続きでもないが、そういえば、ロシア絵本で宇宙的なものを扱ったものってどんなものがあっただろうと考えてみたところ、コズロフのお話を思い出した。

資料の棚にある「Осенние Сказки」。「秋のお話」だ。これはカランダーシで扱っている(現在品切れだがもうすぐ入荷)の「僕たち、ずっと一緒だよね? 」の中のいくつかのお話をまとめたものだ。邦訳は「ハリネズミくんともりのともだち」(岩波書店)。

実は「秋のお話」は画家がカランダーシのものや岩波書店のものとは違うのだが、こちらもとても素敵だ。この画像はその中の「どうやって雲を釣り上げるか」というお話。

ハリネズミと子グマが干し豆を餌に川で雲を釣ろうと釣り糸を垂らすのだが、釣れたのは、何とお月様。お月様はちょっとふらついたあと上空に戻り、その後、2匹はお星様を次々に釣り上げ、最後にお日様を釣り上げるというお話。

宇宙との距離感もそうなのだが、この小さな動物たちが暮らす森のお話には独特の世界観、哲学があり、奥が深い。とても心ひかれるお話たちだ。(直)

2019年10月21日

市原湖畔美術館で開催されている「夢見る力ー未来への飛翔 ロシア現代あーとの世界」展。昨日の続きである。

まず最初に私たちを出迎えるのはレオニート・チシコフによる「祖先の訪問のための手編みの宇宙ロケット」だ。着られなくなるまで着た衣類を割いてリボンにして編んでロケットの型に被せている作品だ。

ロケットの先端は天を指し、まさに未来への飛翔!の象徴のようでもあるが、このロケットは悲しいかな、天井から吊り下げられている。地上から同じ距離を保ったまま飛翔どころか、1㎜も進むことはできない。

しかし、それでいいのである。宇宙とは進むべき未来でもあるし、また還るべき故郷でもあるから…なんて思ったりもするのも、今展はまさにその宇宙とは何かということも含め、アーティストたちの作品を通してあれこれ思いを巡らさざるを得ないところがあったからなのである。

シンポジウムでは、ロシアが宇宙をどう捉えてきたのかを、沼野氏は思想や哲学、文学を通して、高橋氏は音楽、また鴻野氏はアートの文脈で語ってくださった。

沼野氏からはロシアコスミズムの潮流のお話もあり、高橋氏は革命における音楽家たちの企みを解説してくださり、そして、鴻野氏は象徴主義の時代から現代までの主だった動きとまた今展のアーティストについて詳しく述べてくださった。とても勉強になった。

絵本的立場からすると、ベヌアの絵に多く登場する噴水の解釈、「宇宙的な高みを目指す人間の心」が面白かった。彼の描く水に映った風景描写は美しい。

水辺に映るといえば、地下階には水を張ったポノマリョフのインスタレーション作品があった。タイトルは「ナルシス」だ。彼は、ここではないどこか、を海に求め、彼にとって宇宙を感じる場所という南極でビエンナーレを開催しているアーティストだ。

知識もなくアート云々を語る立場ではないという前置きは必要だし、また断片的な情報から物を語るのは気がひけるのだけれども…アメリカのアートサイドがテクノロジーに乗っかる方向で、実際の宇宙で美術展を開こうと考え、まずは人工衛星に絵を描いたりしていることを読んだりしていて、そこと単純に比較するのは無謀すぎるのかもしれないけれど、今展の作品を見る限りにおいて、コスミズムに向き合うことから作品を作ったり、月を抱えて世界を旅したり、人生を振り返ったり、天国をイメージしたり、和紙と竹で美しい羽根を作ったり、海を越えて極地を目指したり、というところが、ああロシアなんだなぁとしみじみ思ったり。

さて、それはそれとして、帰り道、すっかりコスミズム!に感化された私からは、車から遠くに見えるカッコイイ市原湖畔美術館の建物自体がまるで宇宙基地のようにも見えたし、展望台がまるでロケットの発射台にも見えたり。

とすれば屋上のトクサの群れのようなパイプオブジェは宇宙と交信しながら揺れるはずだろう。多分。きっと。(直)
市原湖畔美術館
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