美しいロシア絵本の世界を是非お手元でお楽しみください。
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2018年02月26日

オリンピックが終わった。毎日結構感動したり、楽しませてもらっていたので少し寂しい。なんて言っている間に2月ももうすぐ終わり。今週から3月だ。早く暖かくなるといいな。
画像は、ヴァスネツオーフの新しい絵本「民話集」。おなじみのお話がたくさん収録されているが、これはおだんごぱんのお話。以前こちらでも書いたと思うのだが、ロシアの人に好きなお話を聞くと、このお話をあげる人が多かった。なぜ?と思っていたけれど、内容もあるかもしれないが、とにかく声を出して言う繰り返しの言葉の楽しさの魅力が大きいのだろうと思う。ロシアの人は小さい頃からたくさんの詩を聞いて育つと聞いている。子どものための詩がたくさんある。また、故に、小さい頃からいくつもの詩を覚えて諳んじるとも。韻やリズムに対する感覚、というものはこちらが想像する以上にとにかく大切なんだろうと思う。
この絵本のおだんごぱんは、動物の表情や背景の楽しさや色使いも見応えたっぷり。ロシアの人に愛され続けるお話の世界がここに。(直)

ロシア民話集http://karandashi.ocnk.net/product/260
2018年02月25日


オープンルームありがとうございました。日差し暖かく過ごしやすい1日だった。
後片付けで本棚に絵本を入れていたのだが、ずっと片隅に立てていた辞書のカバーがいよいよボロボロなので修繕することに。この辞書「岩波ロシヤ語辞典」(八杉貞利著)といい1964年刊のもの。今は亡き夫の父親のものだ。今まで使ってはいなかったのだが、パラパラと前書きを読んでみたら、著者は辞書はひくべきものではなく、読むべきものであると書いてある。なるほど。
ついでに中もパラパラ。たまたま「夫」という言葉を見たら、例文が、「夫婦は一つ穴の貉」の他、「亭主を尻に敷く」「知らぬは亭主ばかりなり」「亭主が稼げば女房が使う」(諺)と並んでいる。それでは、と「妻」という言葉をひいてみたら、「女房の尻に敷かれる」「妻のかわいいのは2度だけだ。家に連れてくる時と、墓にかついでゆくときと」(諺)さらには、「火事と洪水と悪妻から守り給え」(諺)と続いている。
ちょっと笑ってしまった。(直)


2018年02月23日

朝方は、みぞれ模様だったが、午後からお日様が戻ってきた。
お日様が戻ってきた、といえば今ロシア絵本を訳す会の方では「ぬすまれたおひさま」というチュコフスキーのお話を訳している。画像はカランダーシの部屋の本棚。Nさんからお借りしているソ連時代のヴァスネツオーフの挿絵のもの。最後にお日様を取り戻して森の皆で喜んでいる場面だ。熊が、リスが、うさぎが、鳥たちが、虫たちが、花束を持って、あるいは何ゆえかきのこを持って大喜びしている。その幸福感にあやかろうと今そのページを見えるように飾っている。見ているとこちらも幸せな気持ちになる。このお話はワニがお日様を食べてしまって…という筋書きなのだが、その荒唐無稽さは逆に大人になった今の方が面白がれる面もあるかもしれない。おじいさん熊が活躍するのも愉快だ。とにかくお日様が戻ってよかった、よかった。
明日はオープンルーム。ウエブショップ&出版絵本の販売、またソ連時代の絵本を始めロシア絵本関連の閲覧、またきのこ絵付けも継続中。1時〜6時まで。(直)

2018年02月23日

今日はオナガをよく見た。梅があちこちできれいだ。それにしても寒い。
うっかり忘れていたけれど、実は今日はカランダーシ6周年の日だった。ネットショップを立ち上げた日が6年前の2月22日だったのだ。といっても日付は変わってしまったが…。とにかくこれまでの歩みは大切にしながら、その上で今年は今年のチャレンジができるといいな、と思っている。
それはそれとして、2月22日は猫の日といわらているらしい。ということで画像はチュコフスキー作/スティーエフ画のこどものための詩を集めたソビエト時代の「猫とネズミ」という絵本。壁からのぞく猫、小さなおしゃれなネズミ。構図も色使いも目を引く面白い表紙だ。1972年刊。(直)
2018年02月21日

今日は午後からカランダーシの部屋で絵本の研究会。論文の著者による講釈を中心に学びのひととき。
画像はエストニアの昔話絵本「みっつのねがい」(福音館書店)。記憶が正しければ私が多分初めて手にするエストニアのお話絵本なのではないかと思う。研究会メンバーの1人、Mさんからいただいた。感謝。お話はエストニアの昔話。訳者はまえじまあきえさん。再話と絵はエストニア芸術アカデミーを卒業後、作家、イラスト両方で活躍しているピレット・ラウドさん。ゴールデンブック賞など多くの賞を受賞している。
この絵本、不思議さもある特徴のあるイラストが印象深い。人物の衣装もそうだが、随所にエストニアの民族的な意匠が散りばめられており、遊び心たっぷりで面白い。現代における昔話の表現、というものの1つの提示としても興味深いなぁと思った。
昔話が海を渡り、こうやって絵本という形で伝わっていくことはとても意味深いこと。
おかげでエストニアの事が今まで以上に身近になった。ありがたい。
実は、今日はチクチクバルト舎さんで購入したエストニアのくつ下を履いていた。なんて素敵な偶然!(直)
2018年02月20日

@chairwarmerさんという方がTwitterで杉並アニメーションミュージアムで開催中の「みんなの歌の世界展」のことを紹介してらした。その中にあの個人的に大好きな歌、「メトロポリタンミュージアム」(大貫妙子/作詞・作曲・歌)のお人形の現物が展示されているとあった。杉並アニメーションミュージアムは自転車で5分。時間を作って早速出かけてきた。ご近所のミュージアムでこんな企画展が開催されていたなんて。灯台下暮らしもいいとこだ。@chairwarmerさんにはお礼をお伝えした。
会場に入ると、そこには懐かしいあの歌、この歌、そしてアニメたちが…。歌の年表の前ではしばし自らの人生を振り返ってしまった。シアターで上映会もやってるし、おしりかじり虫!やグラスホッパーの立体物もあって家族みんなで楽しめる内容だ。中でも個人的にはやはりメトロポリタンミュージアムのお人形たちに会えたのは特別に嬉しかった。そして私はこの歌のベースになっているカニグズバーグの「クローディアの秘密」がかつての愛読書だったことに本当に久しぶりに思いを馳せたりして、また読んでみよう!と思ったり。
メトロポリタン…のお人形の展示は今回が初めてだそう。主人公の小さな女の子のお人形はチェックのスカート、帽子をかぶって、そしてちゃんと赤い靴下をはいていた。ずっと昔に見たテレビの中のみんなの歌の世界が目の前にある不思議。
まさに歌詞にある「タイムトラベルは楽し♪♪」の心持ちだった。(直)
2018年02月19日

全く関係のない場所や状況で起こった事柄や知り得た情報が自分の中で結びついて繋がって、おや、これってこういう意味があるのでは?と思ったりすることは誰しもあると思うのだが、今日のそれはちょっと衝撃的でその不思議さに思わず唸ってしまった。気づけたことに感謝したい。抽象的な話で申し訳ない。
画像はヴァスネツオーフの2冊の本。クリーム地の表紙は優しい春を感じさせるような印象だ。1冊はわらべ歌や遊び歌、小話などが70も入っている。本当にあれもこれもそれも入っていてバンザイ!という感じだ。もう1冊は、お話集。さんびきのくま、おだんごぱん、大きなかぶなども入っている。こちらも18ものお話が収録されていて、豪華な内容だと思う。この2冊でかなりの作品を網羅できるはずだ。
贈り物にも喜ばれるかもしれない。もちろん自分への贈り物にもかなりおすすめだ。(直)

ねこちゃん、ねこちゃん http://karandashi.ocnk.net/product/259
うさぎのいえ http://karandashi.ocnk.net/product/260
2018年02月18日

先日、久しぶりにご近所のジャーマンシェパードのこてつ君に会えてとても嬉しかった。かつて犬と暮らしていた頃は、お散歩に行けば色々なワンちゃんとご挨拶することも多く、知り合い犬が結構いたのだが、今は全然ご近所犬事情はわからない。
犬のトムカ君の絵本。チャルーシンが愛すべきトムカ君の日常を描いている。好奇心たっぷりの瞳。フワフワの毛並み。太い前脚。まん丸のお腹。トムカはまた夢を見る。夢の中には熊!が出てきて…。そういえば、わが家の犬が寝ている時、どんな夢を見ているんだろうと思ったことはある。ピクピクしたり、急にハッと目覚めたりということもあった。でも、きっと多分その夢に熊が出でくることはなかったと思っているが、どうだったのだろう。(直)

犬のトムカ http://karandashi.ocnk.net/product/258
2018年02月18日

オープンルームありがとうございました。
今日は、前半は急遽男子フィギュア鑑賞。途中からいらしたNさんによると西荻窪の駅前のモニターのあるお店の前は黒山の人だかりだったそう。本当に昨日も今日もすごいものを見せてもらえたと感動している。
さて、画像はNさんがお持ちくださった1971年のチュコフスキーのお話集。右側はカランダーシで販売している同じ表紙のお話集。1つだけ新しい方には入っていないお話があるが、同じ内容だ。でも、紙の質、インクの色合いなど挿絵の印象は味わいが違うので比較すると面白い。
感慨深いのは、味つけは変わってきているにしても、とにかくそうやってこのお話集はずっと今でも愛され続けているということだ。梯子を繋げて夜の空に熊が月を釘で打ち付けているこの表紙は私も大好きだ。お話の幸せというものがあるのなら、それを感じられるからだろうと思う。
(直)
チュコフスキーお話集 http://karandashi.ocnk.net/product/215
2018年02月16日

娘からロシアに魔女はいないのか、と聞かれた。いるいる。それはバーバ・ヤガーと言って…ということになった。しかし、バーバ・ヤガーっていわゆる西ヨーロッパのお話に出てくる魔女みたいなものなのか?といわれるとちょっとうーんとなる。
バーバ・ヤガー。それははロシア民話に登場する怖ろしくて不気味で、不思議な力をもつ妖婆。あの世とこの世の淵ともいわれる森の奥の鶏の脚の上に立つ小屋に住み、死者でもあり祖先でもあり、人を食いもするが助けもする存在だ。臼に乗り、杵を持ち、箒で足跡を消しながら空中を移動する。
さて、挿絵画家たちは、その想像力でバーバヤガー像を作り上げてきた。ビリービンのバーバヤガーは眼光鋭く髭も生えていて冷徹な雰囲気。ベヌアの場合は、バレエリュスのデザイナーらしく、花柄のきれいな衣服を着せているし、臼も立派でどこかスタイリッシュに見えたり。そして、現代の画家スピーリンはどうかというと皮膚の色も緑だし、バーバヤガーをまるで怪物のように描いている。臼もかなりのスピードが出ている感じ。
誰も実物を見たことはないけれど、ロシアの人の心の中には必ずいるバーバ・ヤガー。
そういえば、ロシアの森にきのこ狩りに行った時、ああ、バーバ・ヤガーに出会ってもおかしくない、いたらどうしよう的雰囲気を味わったのは懐かしい思い出だ。(直)

ビリービン7冊組セット
http://karandashi.ocnk.net/product/63
ベヌア 「アーズブカ」
http://karandashi.ocnk.net/product/63
スピーリン「火の鳥」
http://karandashi.ocnk.net/product/212

2018年02月16日

ブラートフ&ブァシリーエフは時代が変わると、自分たちの意思でこどもの本の仕事を全くやらなくなってしまったという。人生は長いようで短い。生きたいように生きるのが一番だ。それは昔に比べてずっとずっとそう思っている。こちらは残された作品を楽しむしかない。そして心弾んでくるような作品を残してくれてありがとうと呟くしかない。その気持ちはより幼い子どもたちのための作品を見ていると強くなる。こういう作品を見ることができてよかったと思う。出合えたこと自体に感謝だ。それはまた、こちらの人生も長いようで短いからに他ならない。
目に触れるもの、周りにあるものの意味に心していこうと思う今日この頃。ありがとうの気持ちを持って。
昨日や今日は随分暖かかった。やはり暖かいほうがいいな。(直)

子どもの詩と歌の絵本
http://karandashi.ocnk.net/product/246
2018年02月14日

ロシアの絵本を見ていると縁飾りが美しいものと出合うことも多い。物語の解釈が表現されていたり、また画家のちょっとした遊び心が現れていたりするものもあり、鑑賞のひとつの楽しみだ。縁飾りといえば、ビリービンを想起する方も多いだろう。そのビリービンに影響を与えたであろうとされるのが、キリスト教伝来以来発展し一旦は衰退した写本装飾文様。10世紀〜16世紀までのそのロシアの写本装飾をたどる文様集「ロシアの装飾文様」(青幻舎)がある。この文様集は…19世紀に起こったロマン主義運動がきっかけとなり再発見され、まとめられたものと前書きにある。海野弘氏は「このような本ができたために、ビリービンは、ロシアの文様を自在に復活し、新しい生命を吹き込んだのであった」という解説文を寄せている。写本に施された装飾文様、それは西、東、宗教、民族などの様々な文化が織りなす錦模様のようなものなのだと気づかされる。海野氏はその文化の糸をたどれば日本にもたどりつけるかもしれない、と書いている。浪漫だ。
(直)

ロシアの装飾文様 http://karandashi.ocnk.net/product/257


2018年02月13日

東京に雪が降る前からずっと咲き続けているスノードロップ。そしていつもの場所に今年も蕗の薹が顏を出している。あわいの時。だんだんとこうやって春になってゆくのだなぁと思う頃だ。
ミトゥーリチが挿絵をつけたマルシャーク詩集のアルファベットのページ。水彩の優しい色が春を思わせる。色々な形の文字たちが楽しげに並んでいる。その多彩な表情は、またひとつひとつ異なる個性豊かな音を奏でているよう。一文字ずつその個性を捉えて声に出して読んでみるのもなかなか愉快なことだろう。

マルシャーク詩集 http://karandashi.ocnk.net/product/252
2018年02月12日

お問い合わせをいただいていたビリービンのキーホルダーが再登場。これは実は私もずっと使っている。大きめサイズだが、平べったいのでカバンのポケットに出っ張らずに収まる。大きいので失くさない、というのはある。あとは壁に掛けているとビリービンの絵が見られて嬉しい。
品切れになって久しかったのだが、丁寧にサイトをご覧になってくださっている方がいらっしゃることは嬉しい。ありがたい。
2月。寒さは続いているが、蕗の薹も顏を出しているし、梅も咲き出した。オリンピックも始まった。やるべきこと。考えるべきこと。自問自答を繰り返しつつ。(直)

ビリービンキーホルダー  http://karandashi.ocnk.net/product/47




2018年02月11日

「マイ・ミトゥーリチの回想と作品」。 分厚い一冊だが、その中でもミトゥーリチが手がけた絵本の表紙が並んでいる数ページは見入ってしまう。知っている絵本を見つけると嬉しいし、知らない絵本は見てみたいなぁと思う。多分それは叶わないことの方が多いとわかっていても。
実はこれらのページを見ていて、えっ、あの絵本はミトゥーリチの作品だったの?と本棚からあわてて引っ張り出してきて確認した絵本があった。うっかりしていた。驚きであり、嬉しい発見だった。(直)

回想と作品 http://karandashi.ocnk.net/product-group/29
マルシャーク詩集http://karandashi.ocnk.net/product/252
2018年02月10日


オープンルームありがとうございました。
最初陽ざしが暖かかくポカポカしていたのだが、なんだか雲が出てきてまたちょっと気温も下がってきて…。実際、日影にはまだ雪が残っていたりするし、今年の冬は寒い!実は、カランダーシのベランダには屋根からの雪がドサっとかたまって落ちてきて、網戸が破れてしまった。プランターのプリムラもかなりのダメージを受けてしまったのだけど、何とか大丈夫そうでほっとしている。
画像は遊びに来てくれた知り合いが色付けしたきのこ。図鑑やカードを見て「わいわいきのこのおいわいかい」にも出てくるベニタケみたいなきのこがいいなということになり…。ぬめり感を出すためにカサだけニス塗りして、なるほどの仕上がり。絵筆を持つのは久しぶりだけど、ひとときとても楽しかったとのこと。そう言ってもらえてこちらも嬉しい。(直)

2018年02月09日

今週、いつもロシア文化関連の情報を教えてくださるSさんがおすすめの映画として「サリュート7」を紹介してくださった。ツッコミたいところも含めて愛すべきロシア映画とのこと。見応えがあって面白そうだ。同じくSさんからは以前「ガーディアンズ」という映画も教えてもらっていて、こちらは超人アクション系というのだろうか?予告編を見たのだけど、強い熊人間!が出てくる。ロシアの場合、やはりそこは熊なんだと何だかほっこりしてしまった。こちらも今公開中のようだ。
さて、明日はオープンルーム。ウエブショップの商品の販売、出版絵本やソ連時代の絵本、またロシア絵本の歴史をまとめたスライドをご覧いただいたり、白木のきのこの色付け・絵付けもやっている。興味ある方は気軽に遊びにいらしてください。午後1時〜6時まで。(直)
※きのこ色付けはなくなり次第終了です※

ロシアきのこカード
http://karandashi.ocnk.net/product/110
2018年02月08日

ロシア語のレッスンの中で、ステーエフの「雄鶏と絵の具」という絵本を読んだ。先生の子どもの頃読んでらした絵本だ。身体に色のない雄鶏は皆の笑い者。犬に教えてもらい森の奥の絵の具の住む家に行き、とさかは赤、尾には青、羽根は緑、胸は黄色に塗ってもらい、堂々と皆の元に戻る、というお話。表紙の裏には白い雄鶏の絵があり、色をつけられるようになっている。読者参加型絵本だ。先生の色々な絵本を見せていただくのは楽しい。姿勢も前のめりになる。
ちょっとひと息に先生が出してくださったのは、ご主人のドバイのお土産のターキッシュディライト。ナルニア物語に出てくるあのお菓子だ。なんとなんととひとつ頬張ると、柔らかくて甘くて、ほへーっとなった。(直)

同じお話も収録されています。
ステーエフのお楽しい話集http://karandashi.ocnk.net/product/243
2018年02月07日

ロシア民話の「火の鳥」。
火の鳥を探すイワンの馬を殺めた灰色オオカミは、その代わりにイワンを背に乗せて空を飛んだり、イワンを助けることになり…というロシア民話。この絵本はその不思議なお話の世界を精密な筆致で表現。画家はニューヨークで活躍しているスピーリン。ページデザイン、枠飾りも凝っていて楽しませてくれる。一見美しくクラッシックな世界観だけれども、構図や場面転換のダイナミックさ、登場人物の表情などアクティブに語りかけてくる。エンターテイメント性というのだろうか、そういう魅力がある。
空を飛ぶ灰色オオカミ。風になびく金の刺繍がほどこされたイワンの装束。裏地の赤。下界の水面のさざ波。金色に輝く紅葉した木々。そうそう、スピーリンはこの絵本の中で金色を描き分けており、個人的にはそこが注目ポイントだったりしている。
今日の夕焼け。胸騒ぎのように横たわる黒雲の下にはそれこそ金ともいえる空の色が。(直)
「火の鳥」http://karandashi.ocnk.net/product/212
2018年02月06日

レフ・トルストイの「アズブカ」(未知谷)を読んだ。アズブカとはアルファベット、いろは、のこと。挿絵はトルストイの玄孫のナターリヤ・トルスタヤの新作。トルストイは子どもたちを集めて教育にあたっている中で1872年と75年に教科書としてそれぞれ「アズブカ」「ノーバヤアズブカ」を作っていて、文字の綴りや文法、それから子どものためのお話、読み物が収められており、有名な「さんびきのくま」は「ノーバヤアズブカ」に収録されているとジブリ美術館で2007年に開催されたさんびきのくま展の図録にはある。
この「アズブカ」(未知谷)には31の寓話や物語などが収録されている。子どものためのお話だけど、もう人生をかなり随分歩いてきた今だからこその味わい深さがあると気づかされた。しみじみ。挿絵もいいなあ。(直)

トルストイ作「さんびきのくま」
http://karandashi.ocnk.net/product/256



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